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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 Fly me to the Moon
テニスコートの側に設置した大きめの麻で出来た日除けの天蓋の下にテーブルと椅子。
メイドと共にレモネードと冷たく冷やし、彩りよくカットされたマンゴーとパイナップルとキウイの皿…光が空輸で取り寄せたものだ…をリネンの上に置く。
梨央がコートで声を上げる。
「光お姉様!もう降参!」
梨央がへとへとというようにラケットを投げ出す。
「いいわよ、梨央さん。休憩にしましょう」
光は余裕綽々で笑う。
2人がコートから戻って来る。
光が梨央の肩を抱きながらその頬にキスをする。
梨央が恥ずかしそうに光を見上げて笑う。
まるでお伽話の美しい少女達のようだ。
見惚れている月城の元に梨央が走り寄る。
「月城!私のテニスはどう?少しは上達したかしら?」
無邪気に尋ねる梨央の頬は薔薇色に紅潮し、白く透き通るような額にはうっすらと汗をかいている。
「…とてもお上手になられました。梨央様、汗をかいていらっしゃいます。…これでお拭き下さい」
月城はシルクのタオルを差し出す。
「拭いて、月城」
甘えて顎を突き出す梨央に月城は思わず苦笑する。
梨央の清らな額を優しくタオルで抑えてやりながら
「お風邪を召されたらいけません。…お着替えをなさった方が…。茅野を呼びましょうか?」
提案するのに首を振り
「大丈夫。ねえ、首筋も拭いて。上手く拭けないの」
梨央は昔から入浴と着替え以外のすべての世話を月城に委ねてきた。
だから14歳になっても汗を拭かせることに躊躇はないのだ。
月城は優しく微笑み、梨央のほっそりとした長く美しいうなじをタオルで拭く。
梨央の汗はなぜか花のような薫りがする。
月城は切ない胸の痛みを堪えながら、そっと汗を拭き続ける。
…ふと、梨央が動いた瞬間に月城の手が滑り梨央の胸元に指が触れる。
梨央の膨らみ始めたばかりの可憐な乳房を薄いシャツ越しに感じ、月城ははっと手を止める。
「…失礼いたしました」
「大丈夫よ。痛くはないわ」
無邪気な梨央は月城を見上げて微笑む。
月城はぎこちなく口元だけで笑い、タオルを梨央に渡す。
「…あとはご自分でなさって下さいませ。…私は郵便物を見てまいります」
「月城…?」
一礼して庭を後にする月城を梨央は不思議そうに見送る。
一部始終を椅子に優雅に腰掛けながら見ていた光はレモネードを飲みながら梨央に声をかける。
「いらっしゃい。梨央さん。私が拭いてあげる」

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