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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 Fly me to the Moon
晩餐が済むと、光と梨央は隣の小客間で寛ぐ。
モロッコ皮のアールヌーボーのソファに恋人同士のように仲睦まじく座りながら、光はナイトキャップ代わりのブランデーを、梨央はホットミルクを飲む。
「…ホットミルクだなんて…まるで赤ちゃんだわ」
梨央は顔を顰めて、一口飲んだだけのホットミルクの器を月城に押し返す。
「…梨央様。ミルクを召し上がるとよくおやすみになれますから、もう少しお飲みにならないと…」
嗜める月城に光が可笑しそうに笑う。
「貴女の執事は随分過保護ね。…月城、梨央さんはもう14歳よ?そろそろ大人の女性になる準備をしなくては…いつまでも子供扱いでは梨央さんが可哀想…ほら…お身体もこんなにも健やかにお育ちになられているのに…」
そう言って光は梨央のシフォンのドレスのラインを優しく、やや色めいた仕草で撫でる。
首筋から鎖骨、そして胸のライン…引き締まった腰、ドレスに包まれた太腿…。
月城ははっと眼鏡の奥の瞳を見開く。
光は月城の反応を楽しむように、梨央の身体を撫でる。
「やっ…お姉様、くすぐったい!」
思惑に気づきもせずに梨央は、身体を捻り笑いだす。
「…くすぐったいだけ?」
光は梨央の耳元に囁き、桜色の耳朶にキスをする。
光の猫のような瞳が月城を捉える。
「くすぐったいってば!」
梨央は笑いながら抗う。
「フフフ…月城が子供扱いをするから、梨央さんはbebeちゃんのままなのだわ」
「…光様…」
やんわりと嗜めようとすると、光が今までと打って変わった揶揄いのない口調で尋ねる。
「…それとも、月城は梨央さんをずっと子供のままでいさせたいのかしら…?…その方が何かと都合が良いものね?」
「…‼︎」
息を飲んだ月城と自分を抱きしめる光に、梨央はきょとんとしたような顔で聞く。
「なあに?どうしたの?二人とも」
ふっと光は目から力を消し、梨央を優しく見つめ宥めるように軽く肩を叩く。
「なんでもないわ。からかっただけよ。…さあ、梨央さん。もう寝みましょう。今日はテニスをなさったからお疲れでしょ?」
梨央は甘えるように光を見上げる。
「今夜も梨央と寝て下さる?光お姉様」
「もちろんよ。…一緒に寝みましょう。可愛い梨央さん」
「嬉しい!」
梨央は目を輝かせ光に手を引かれ部屋を出る。
「おやすみなさい。月城」
「…おやすみなさいませ、梨央様、光様」
月城はそっと溜息を吐く。
モロッコ皮のアールヌーボーのソファに恋人同士のように仲睦まじく座りながら、光はナイトキャップ代わりのブランデーを、梨央はホットミルクを飲む。
「…ホットミルクだなんて…まるで赤ちゃんだわ」
梨央は顔を顰めて、一口飲んだだけのホットミルクの器を月城に押し返す。
「…梨央様。ミルクを召し上がるとよくおやすみになれますから、もう少しお飲みにならないと…」
嗜める月城に光が可笑しそうに笑う。
「貴女の執事は随分過保護ね。…月城、梨央さんはもう14歳よ?そろそろ大人の女性になる準備をしなくては…いつまでも子供扱いでは梨央さんが可哀想…ほら…お身体もこんなにも健やかにお育ちになられているのに…」
そう言って光は梨央のシフォンのドレスのラインを優しく、やや色めいた仕草で撫でる。
首筋から鎖骨、そして胸のライン…引き締まった腰、ドレスに包まれた太腿…。
月城ははっと眼鏡の奥の瞳を見開く。
光は月城の反応を楽しむように、梨央の身体を撫でる。
「やっ…お姉様、くすぐったい!」
思惑に気づきもせずに梨央は、身体を捻り笑いだす。
「…くすぐったいだけ?」
光は梨央の耳元に囁き、桜色の耳朶にキスをする。
光の猫のような瞳が月城を捉える。
「くすぐったいってば!」
梨央は笑いながら抗う。
「フフフ…月城が子供扱いをするから、梨央さんはbebeちゃんのままなのだわ」
「…光様…」
やんわりと嗜めようとすると、光が今までと打って変わった揶揄いのない口調で尋ねる。
「…それとも、月城は梨央さんをずっと子供のままでいさせたいのかしら…?…その方が何かと都合が良いものね?」
「…‼︎」
息を飲んだ月城と自分を抱きしめる光に、梨央はきょとんとしたような顔で聞く。
「なあに?どうしたの?二人とも」
ふっと光は目から力を消し、梨央を優しく見つめ宥めるように軽く肩を叩く。
「なんでもないわ。からかっただけよ。…さあ、梨央さん。もう寝みましょう。今日はテニスをなさったからお疲れでしょ?」
梨央は甘えるように光を見上げる。
「今夜も梨央と寝て下さる?光お姉様」
「もちろんよ。…一緒に寝みましょう。可愛い梨央さん」
「嬉しい!」
梨央は目を輝かせ光に手を引かれ部屋を出る。
「おやすみなさい。月城」
「…おやすみなさいませ、梨央様、光様」
月城はそっと溜息を吐く。