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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 Fly me to the Moon

「梨央さん、入浴の準備が整ったそうよ。…バスルームにまいりましょう」
窓辺の椅子に座り、夜の読書を始めた梨央に光が声をかける。
梨央は開いた本から顔を上げ、恥ずかしそうに光を見上げた。
「…光お姉様。…梨央はもう大丈夫よ。茅野に手伝って貰って入れるわ。いつまでもお姉様のお手を煩わせるのは申し訳ないもの」
光は梨央の側に来ると、少し腰を屈め、顔を覗き込む。
そして梨央のさらさらと美しい絹糸のような黒髪を優しく撫でながら、甘く囁く。
「何を言っているの。梨央さんのお世話をするのは楽しみなのよ。私の楽しみを奪わないで」
「…光お姉様…」
言い淀む梨央に、光は白魚のように美しく優雅な手を差し伸べる。
「さあ、梨央さん。まいりましょう」
その美しくも蠱惑的な瞳に魅入られるように、梨央は光に手を取られ立ち上がる。
「…今日は私がパリで買った薔薇のエッセンスを浴槽に入れましょうね。可愛い梨央さんが薔薇の精のようになるわ」
光は梨央の肩を抱きながら、桜貝のように可憐な色をした耳朶にそっとキスをした。
梨央の耳朶がたちまち紅の色を濃くした。
窓辺の椅子に座り、夜の読書を始めた梨央に光が声をかける。
梨央は開いた本から顔を上げ、恥ずかしそうに光を見上げた。
「…光お姉様。…梨央はもう大丈夫よ。茅野に手伝って貰って入れるわ。いつまでもお姉様のお手を煩わせるのは申し訳ないもの」
光は梨央の側に来ると、少し腰を屈め、顔を覗き込む。
そして梨央のさらさらと美しい絹糸のような黒髪を優しく撫でながら、甘く囁く。
「何を言っているの。梨央さんのお世話をするのは楽しみなのよ。私の楽しみを奪わないで」
「…光お姉様…」
言い淀む梨央に、光は白魚のように美しく優雅な手を差し伸べる。
「さあ、梨央さん。まいりましょう」
その美しくも蠱惑的な瞳に魅入られるように、梨央は光に手を取られ立ち上がる。
「…今日は私がパリで買った薔薇のエッセンスを浴槽に入れましょうね。可愛い梨央さんが薔薇の精のようになるわ」
光は梨央の肩を抱きながら、桜貝のように可憐な色をした耳朶にそっとキスをした。
梨央の耳朶がたちまち紅の色を濃くした。

