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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 Fly me to the Moon

縣の山荘は軽井沢の別荘に負けず劣らず素晴らしく豪奢で洗練されたものだった。
夏の避暑のみならず、冬にスキーも楽しむ縣はこの山荘にも贅を尽くしているらしい。
月城はメイドに案内された着替え部屋で縣の乗馬服に着替え、応接室で光を待っていた。
案内をしてくれたメイドの皐月が、月城に銀の盆に載せたティーセットを捧げ持ち部屋に入って来る。
「どうぞ、お掛けくださいませ。光様はもう間もなく見えられます」
若いメイドはちらちらと月城を見ながら恥ずかしそうに声をかける。
「恐れ入ります」
月城は静かに微笑んで礼を述べる。
皐月はうっとりとしたように月城の乗馬服姿を見つめる。
「旦那様の乗馬服がよくお似合いですわ」
「縣様のお優しさには常々感謝しております」
「…北白川伯爵様の若い執事さんはびっくりする位、美男子だって、旦那様の従者が申しておりました。…噂は本当だったのですね」
月城は困ったように小さく笑った。
「…いいえ…そんな…」
「旦那様でハンサムは見慣れている私ですら驚きましたもの!」
…縣様のお屋敷のメイドは随分解放的なのだな。
若いメイドの積極性にたじたじになっていると、扉が開き光が入って来た。
夏用のアイボリーの格子模様の上着に、白いブラウス、胸元には黒いリボンが結ばれている。
白い乗馬ズボンは光の姿の良い下半身のシルエットを露わにしているが、それは神々しいまでに美しい。
光の長く美しい脚を、黒い長ブーツが包みこんでいるのも魅惑的だ。
光の余りの美しさに、皐月はあっけにとられている。
光は自分の魅力を十二分に認識している笑顔を月城に向けた。
「さあ、まいりましょう。ハンサムな執事さん。縣様と梨央さんがお待ちかねだわ」
光は乗馬用の革の手袋をはめた手を月城に差し出した。
「…では、失礼いたします。光様」
月城は恭しく光の手を軽く握り、エスコートする為に歩き出す。
夏の避暑のみならず、冬にスキーも楽しむ縣はこの山荘にも贅を尽くしているらしい。
月城はメイドに案内された着替え部屋で縣の乗馬服に着替え、応接室で光を待っていた。
案内をしてくれたメイドの皐月が、月城に銀の盆に載せたティーセットを捧げ持ち部屋に入って来る。
「どうぞ、お掛けくださいませ。光様はもう間もなく見えられます」
若いメイドはちらちらと月城を見ながら恥ずかしそうに声をかける。
「恐れ入ります」
月城は静かに微笑んで礼を述べる。
皐月はうっとりとしたように月城の乗馬服姿を見つめる。
「旦那様の乗馬服がよくお似合いですわ」
「縣様のお優しさには常々感謝しております」
「…北白川伯爵様の若い執事さんはびっくりする位、美男子だって、旦那様の従者が申しておりました。…噂は本当だったのですね」
月城は困ったように小さく笑った。
「…いいえ…そんな…」
「旦那様でハンサムは見慣れている私ですら驚きましたもの!」
…縣様のお屋敷のメイドは随分解放的なのだな。
若いメイドの積極性にたじたじになっていると、扉が開き光が入って来た。
夏用のアイボリーの格子模様の上着に、白いブラウス、胸元には黒いリボンが結ばれている。
白い乗馬ズボンは光の姿の良い下半身のシルエットを露わにしているが、それは神々しいまでに美しい。
光の長く美しい脚を、黒い長ブーツが包みこんでいるのも魅惑的だ。
光の余りの美しさに、皐月はあっけにとられている。
光は自分の魅力を十二分に認識している笑顔を月城に向けた。
「さあ、まいりましょう。ハンサムな執事さん。縣様と梨央さんがお待ちかねだわ」
光は乗馬用の革の手袋をはめた手を月城に差し出した。
「…では、失礼いたします。光様」
月城は恭しく光の手を軽く握り、エスコートする為に歩き出す。

