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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 Fly me to the Moon

梨央を前に乗せ、後ろから抱き抱えるように手綱を取る。
「まずは馬場をゆっくり回ってみましょう」
「…はい」
梨央はまだ緊張した面持ちで頷く。
横座りなので、自然と縣にしがみつくような体勢になるのを、梨央は少し恥ずかしそうに遠慮勝ちに腕を回す。
縣は優しく声をかける。
「…怖かったらもっとしがみついていいのですよ」
「は、はい…」
梨央はすぐにぎゅっと、縣の背中にその華奢な手を回した。
素直な梨央を愛しく思いながらも、図らずも密着した梨央の乳房の感触から、少しずつ少女から成熟しつつある身体に、縣は驚きをかくせない。
…ついこの間まではまだ幼女のような体型でいらしたのに…。
今、縣の身体に伝わるのは梨央の…まだ膨らみ始めたばかりだが少女らしい柔らかな肉の感触だ。
縣は思わず、梨央を抱きしめる腕に力を入れた。
ほっそりとした腰は力を入れすぎると壊してしまいそうだ。
…温かな梨央の体温、白い薔薇の花の薫り、花開き始めたばかりの柔らかな肉体…。
馬場の景色や、他の馬を好奇心にあふれた瞳で見る梨央の美しい横顔…透き通るように白くきめ細やかな肌、優しい三日月の形をした眉、長く濃く反り返る睫毛、涼しげな品の良い切れ長の瞳、形の良い鼻、夏の果実にも似た初々しい唇…。
全てが改めて愛おしく、狂おしく縣の胸に迫る。
…出逢った頃はまだ小さな幼女だった梨央さんが…。
こんなに美しく、成熟した女性の片鱗を覗かせる少女に変身されたとは…。
…私が梨央さんにプロポーズできる日もそう遠くはなくなってきたということか…。
その事実に改めて感激を覚える。
後見人を引き受けている縣だが、それだけで終わるつもりは毛頭なかった。
我ながらどうかしていると思う程、幼い頃から縣はずっと梨央を愛していた。
その成長を見守るのは気が遠くなるほど忍耐が必要だったが、歳を追うごとに美しく成長する梨央を見続けてこられた事は何よりも愉しみであり幸せでもあった。
縣が強引に婚約の形を取り付けようとすればそれは可能な事である。
だが縣は、成長した梨央が自分から恋し、愛してくれることを夢見ているのだ。
…いつか…梨央さんに恋をしてもらえる日が来たら…その時にプロポーズしたい。
…我ながらロマンチストすぎるな…。
縣はふっと苦笑する。
そして、さらさらと縣の頬に触れる芳しくも美しい梨央の黒髪にそっと口づけをしたのだった。
「まずは馬場をゆっくり回ってみましょう」
「…はい」
梨央はまだ緊張した面持ちで頷く。
横座りなので、自然と縣にしがみつくような体勢になるのを、梨央は少し恥ずかしそうに遠慮勝ちに腕を回す。
縣は優しく声をかける。
「…怖かったらもっとしがみついていいのですよ」
「は、はい…」
梨央はすぐにぎゅっと、縣の背中にその華奢な手を回した。
素直な梨央を愛しく思いながらも、図らずも密着した梨央の乳房の感触から、少しずつ少女から成熟しつつある身体に、縣は驚きをかくせない。
…ついこの間まではまだ幼女のような体型でいらしたのに…。
今、縣の身体に伝わるのは梨央の…まだ膨らみ始めたばかりだが少女らしい柔らかな肉の感触だ。
縣は思わず、梨央を抱きしめる腕に力を入れた。
ほっそりとした腰は力を入れすぎると壊してしまいそうだ。
…温かな梨央の体温、白い薔薇の花の薫り、花開き始めたばかりの柔らかな肉体…。
馬場の景色や、他の馬を好奇心にあふれた瞳で見る梨央の美しい横顔…透き通るように白くきめ細やかな肌、優しい三日月の形をした眉、長く濃く反り返る睫毛、涼しげな品の良い切れ長の瞳、形の良い鼻、夏の果実にも似た初々しい唇…。
全てが改めて愛おしく、狂おしく縣の胸に迫る。
…出逢った頃はまだ小さな幼女だった梨央さんが…。
こんなに美しく、成熟した女性の片鱗を覗かせる少女に変身されたとは…。
…私が梨央さんにプロポーズできる日もそう遠くはなくなってきたということか…。
その事実に改めて感激を覚える。
後見人を引き受けている縣だが、それだけで終わるつもりは毛頭なかった。
我ながらどうかしていると思う程、幼い頃から縣はずっと梨央を愛していた。
その成長を見守るのは気が遠くなるほど忍耐が必要だったが、歳を追うごとに美しく成長する梨央を見続けてこられた事は何よりも愉しみであり幸せでもあった。
縣が強引に婚約の形を取り付けようとすればそれは可能な事である。
だが縣は、成長した梨央が自分から恋し、愛してくれることを夢見ているのだ。
…いつか…梨央さんに恋をしてもらえる日が来たら…その時にプロポーズしたい。
…我ながらロマンチストすぎるな…。
縣はふっと苦笑する。
そして、さらさらと縣の頬に触れる芳しくも美しい梨央の黒髪にそっと口づけをしたのだった。

