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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 Fly me to the Moon
馬場から離れ、ゆっくりと散策に出た縣と梨央は小高い丘の大樹の木陰に月城と光の姿を見つけた。
「光お姉様と月城だわ!」
梨央は嬉しそうに声を上げる。
「さすが2人は早々に到着したようですね」
縣は微笑みながら2人を見る。
…ふと、縣は片眉を上げる。

縣と梨央の姿を見つけた月城は
「光様、縣様と梨央様がお着きになりました」
と、光をそっと起こす。
光はゆっくりと瞼を開き、立ち上がろうとした刹那、木の根元に靴先を取られ、バランスを崩した。
月城がすかさず光を抱き留める。
「大丈夫ですか?」
光がはっと月城の腕の中から顔を見上げ、ふいに頬を染める。
慌てて、月城の腕を押しやり
「…平気よ」
そっけなく答えて、縣と梨央の方に向かう。

「梨央さん、初めての乗馬はいかが?」
優しく話しかける光に梨央は馬上から瞳を輝かした。
「とても楽しかったわ!アルフレッドともすっかり仲良しになったの」
「それは良かったわね」
「光さんはいかがでしたか?…月城と随分早くこちらに到着されたようでしたが…」
光の馬の手綱を引き、こちらに向かって歩いて来る月城を見ながら縣は尋ねた。
「…ええ、早駆けしたけれど、楽しかったわ。…月城の腕前はなかなかのものね」
光は横に立った月城を見上げ、艶っぽい目付きで笑った。
「お褒めにあずかり光栄でございます」
月城は執事然としたお辞儀をする。
「お姉様が月城を認めて下さって嬉しいわ」
無邪気に笑う梨央を縣は愛しげに見つめ
「…良かったですね。梨央さん。仲良きことは美しき哉です」
縣は手綱を取り、皆を誘う。
「さあ、それでは私の山荘に戻りましょう。ゆっくり我が家の温泉に浸かってお疲れを癒していただき、それから晩餐会とまいりましょう」
巧みに馬に乗る月城に、縣は馬上からそっと囁いた。
「…あのじゃじゃ馬姫を乗りこなすとは…月城、君も隅には置けないな」
月城は驚いて顔を上げた。
「…⁉︎縣様、私は…」
「いいじゃないか。避暑地には秘め事が良く似合うのさ」
縣はいたずらっぽい眼差しで目くばせをした。
そして腕の中の梨央を大切に守りながら馬に鞭をくれ、馬首を返して丘を下り始めたのだった。
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