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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 Fly me to the Moon
縣は梨央の手を包み込むように握りしめる。
「…貴女を愛しているからです」
梨央の瞳が信じられないことを聞いたかのように見開かれる。
…愛している?
…縣様が私を…?
「…縣様…」
「まだ14歳の梨央さんにこのような愛の告白をすることをお許し下さい。…本当は梨央さんがもっと大きくなられてからお伝えするつもりでした。…しかし、最近の梨央さんは益々お美しくなられ、大人びていらっしゃる…。お会いするたびに、梨央さんに惹かれてゆく自分の胸の内が苦しいほどです。…そして、いつか私と同じように貴女に恋い焦がれる人が現れはしないか、気が気ではないのです。…私は仕事柄海外生活が長いので、貴女にお会いできない期間が長い…長すぎるほどです」
縣の頬が少年のように紅潮し、もどかしげに梨央への思いを伝える。
「…ですから、私の梨央さんに対する思いだけでも、お伝えしようと決心したのです」
「…縣様…」
恥ずかしさのあまり、伏し目がちになる梨央の瞳を捉えようと、縣は梨央の顔を覗き込む。
「…梨央さんの私へのお気持ちは分かっています。…まるで肉親のように…兄のように好いてくださっている…そうですね?」
梨央は深く頷く。
「…はい。お兄様のように…ご信頼申し上げ、ご尊敬申し上げております。私が父の不在の屋敷で何の心配もなく暮らせるのは、縣様のご加護があるからこそと感謝しております」
縣の手が優しく梨央の美しい髪を撫でる。
「…では、私が将来梨央さんにプロポーズしたら…どう思われますか?」
「プロポーズ?」
「…私は梨央さんと結婚したいのです。梨央さんを妻に娶り、一生を共にしたい」
縣の直接的な物言いに、梨央はようやく縣の告白の意味がわかり、同時に顔を赤らめた。
「…そんな…私は…」
梨央は激しく狼狽し、羞恥に身を竦ませた。
「今、ご返事をいただこうとは思っていません。無理強いはしたくない。
私は出来れば梨央さんにも、私に恋していただきたい。私を一人の男性として愛していただきたいのです。…ですから、梨央さんがその気になられるまで、待ちます…」
「縣様…」
縣の大きく温かい手が梨央の白く滑らかな頬をそっと撫でる。
「…待ち続けます。…私が梨央さんのお返事を待つことを、許していただけますか?」
…縣の瞳の中には真摯さと梨央に対する愛情が見てとれた。
梨央は縣の深い愛を感じつつ、小さく頷いたのだった。
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