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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 Fly me to the Moon
温室から居間に戻った梨央に縣は、メイドが運んで来たホットミルクを勧めた。
「梨央さんのお好きなギリシャ産の蜂蜜が入っていますよ。よくおやすみになれると良いのですが」
梨央は厚手のジノリの磁器に入ったホットミルクを受け取りながら驚く。
「私がホットミルクを飲んで寝むことをよくご存知でしたわね?」
縣は重厚なゴブラン織りの長椅子に優雅に腰掛けながら魅惑的な笑みを浮かべる。
「…乳母のますみさんにお伺いしました。梨央さんのことなら何でも知りたいのです。…まだまだ知らないことばかりですからね」
「…縣様…」
包み込むような、それでいてどこか色気を感じる縣の眼差しを受け、梨央は頬を染めて俯く。
「…これから、梨央さんのことをたくさん教えていただけますか?」
縣は優しく尋ねる。
「…はい…」
思い切って顔を上げた時に、縣の端正な顔が目の前にあった。
思わず声を上げようとした瞬間、縣は梨央の肩を柔らかく抱きしめ、そっと額に口付けをした。
「…愛しています。…誰よりも…私のギネヴィア姫…」
そしてそのまま、まるで宝物を抱くように梨央を大切に抱きしめた。

梨央は、縣の逞しい胸にぎこちなく抱かれる。
…何のトワレなのかしら…。
縣様は良い匂いがするわ…。
でも…月城とは違う…
月城の匂いは私をドキドキさせるのに…。
梨央ははっとした。
…なにを考えているの…!
私ったら、縣様と月城を比べるなんて…!
脳裏に浮かんだ月城の端麗な面影を振り払うと、縣の腕の中で梨央はそっと眼を閉じた。



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