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第5章 Fly me to the Moon

梨央は縣がフランスから取り寄せたという純白の寝台に横たわり、美しい装飾が施された天蓋を見つめた。
…私が、縣様と結婚したらこのベッドで眠るのかしら…。
縣様とご一緒に…。
梨央は溜息を吐く。
…縣様みたいに美しく完璧な紳士と…？
あんなに大人な方と…？

想像が出来ない…。
私はまだ14歳なのに…もう結婚のことを考えなくてはならないの？
…亡くなったお母様は16歳でお父様に嫁がれたそうだけれど…。
私は…まだまだ子供のままでいたいのに…。
初潮が始まると…こんなにも周りが変わってしまうの？
私の身体と同じく…私の心も…？

梨央はなんともやるせない気持ちに襲われ、絹のブランケットを頭から被り、目を閉じた。