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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第6章 あの月の頂で
縣は梨央の可憐な薔薇の蕾のような唇を味わい尽くすと優しく、しかしやや強引に唇を押し開いた。
そして緊張の余り震える梨央の舌先を捉え、大胆に絡めた。
「…ああ…は…あ…んっ…」
初めての大人のくちづけに梨央は思わず、甘く掠れた喘ぎ声を上げる。
縣は未知の初々しい口内を存分に味わい、やがて名残惜しげに梨央の舌を解放する。
「…梨央さんは、こんなに可愛らしい声で啼かれるのですね…」
縣は梨央の耳元でそっと微笑まじりに囁いた。
睫毛が触れ合わんばかりの距離で、梨央は縣を潤んだ瞳で見つめ返し、頬を薔薇色に染めた。
「…いや…恥ずかし…」
顔を背けようとする梨央の繊細な顎を捉え、縣は再び唇を重ねる。
…ようやく手に入れた私の宝石…!
手放すのが惜しいかのように、重ねるだけのくちづけを繰り返す。
まだるっこしい快感に縣は酔いしれる。
梨央は甘いくちづけにひたすら耽溺し、最後は縣の広い背中に手を回し、ぎゅっとジャケットを握り締めた。
繰り返すくちづけに梨央の呼吸が乱れ始めた時、ようやく縣は唇を解放した。
梨央の乱れた吐息が整うまで、縣は優しく梨央を抱き締める。
そして、ゆっくりと額と額を合わせ、微笑んだ。
「…伯爵に決闘を申し込まれるかも知れません。
…先ほど、梨央さんには指一本触れないとお約束したのに…」
梨央は羞恥からまだ顔を上げられずに、小さく呟く。
「…お父様は…そんなことはなさいませんわ…」
そして自分のドレスを見下ろし、はっと息を飲み両手で顔を覆う。
「…今日はお部屋を出ないつもりだったので、こんな部屋着のままですわ…髪も結わずに…恥ずかしい…」
縣は改めて梨央を見つめる。
ラベンダー色のジョーゼットのドレスはシンプルなデザインで梨央の楚々とした美貌を却って引き立たせていた。
さらさらの黒い絹糸のような美しい髪は素直に下ろされ背中に広がり、かつての幼女の頃の梨央を彷彿させる。甘い感傷に縣の胸は締め付けられた。
縣は梨央の髪を愛おしそうに優しく撫で、顔を上げさせる。
「…貴女は美しい…誰よりも…世界中に自慢したいほど梨央さんは美しく、清らかだ…」
「…縣様…」
縣は梨央の美しい射干玉色の瞳をじっと見つめた。
もはや、縣はこの言葉以外は持たなかった。
「…梨央さん。…私と…結婚してください」
梨央が長い睫毛を上げ、驚きに目を見開いた。






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