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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第6章 あの月の頂で
不意に書斎の扉が開き、伯爵の陽気な声が響いた。
「やあ、礼也君!御機嫌よう。…今日こそ昼食を食べて行きなさい。
…昼食前に美しい花の蜜で満腹にしないように気をつけ給えよ」
伯爵は目配せをして明るい笑いを残し、また扉を閉めた。
縣と梨央は顔を見合わせ、二人とも照れたようにくすくすと笑い合った。
縣の大きな手は、梨央の白く華奢な手を握りしめたまま離さない。
梨央が恥ずかしそうに俯くのを、縣が優しく広い胸に抱き寄せる。
…月城は、絵に描いたように美しく幸福そうな恋人達の前からそっと姿を消し、階下に降りて行った。
「やあ、礼也君!御機嫌よう。…今日こそ昼食を食べて行きなさい。
…昼食前に美しい花の蜜で満腹にしないように気をつけ給えよ」
伯爵は目配せをして明るい笑いを残し、また扉を閉めた。
縣と梨央は顔を見合わせ、二人とも照れたようにくすくすと笑い合った。
縣の大きな手は、梨央の白く華奢な手を握りしめたまま離さない。
梨央が恥ずかしそうに俯くのを、縣が優しく広い胸に抱き寄せる。
…月城は、絵に描いたように美しく幸福そうな恋人達の前からそっと姿を消し、階下に降りて行った。