この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第6章 あの月の頂で
「あの時、橘さんに忠告していただかなかったら、私は愚かにも恋に身を任せ、梨央様をお護りするという大義を忘れていたかも知れません。
私は梨央様を生涯お護りすることが出来るこの職を天命と思い、また誇りに思っております」
「…月城…」
「縣様は誠に梨央様に相応しいお相手でいらっしゃいます。そのお美しさ、家柄、財力、知性、お優しさ…どれも卓逸されていますが何より素晴らしいのは、梨央様を深く愛しておられることです。
…梨央様は必ずやお幸せになられることでしょう」
「…そうか…。そうだな…」
橘はしみじみと呟いた。

月城は昨日、梨央がやや名残惜し気に縣を見送る姿を、玄関でそっと見つめた。
縣に人目も憚らない別れ際の抱擁と額にキスをされ、その白絹のような美しい頬は薔薇色に染まっていた。
それは月城が初めて見る匂うように美しい艶めいた色だった。
…梨央様はきっとゆっくりと縣様との愛を育まれるだろう…。
…これで良かったのだ…。

どこまでも続く穏やかな蒼い海を見つめていると、橘が静かに、優しく声をかけた。
「…お茶にしよう。ここの家政婦の作る苺タルトは絶品なんだ。今日はお前が来ると聞いて張り切って作っておった」
月城は明るく笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。お茶は私が入れますよ」
橘は眉を上げ、にやりと笑う。
「まだまだヒヨッコのお前には任せられん。私が入れる」
二人は顔を見合わせて、声を上げて笑った。
/233ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ