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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第2章 My Fair Lady
その日の夜、月城はいつものように梨央にミルクとビスケットを届ける。
梨央は白いネグリジェ姿のままベッドに腰掛け、ピーターラビットのぬいぐるみを寝かしつけようとしていた。
月城を見るとぱっと笑う。
…可愛いな、梨央様は…。
梨央の笑顔を見ると、月城は心が温かいお茶を飲んだ後のようにふわっと温かくなる。

「月城、見て!ピーター、可愛いでしょ?梨央と一緒に寝るのよ」
得意げな顔をする梨央が愛らしい。
「はい、可愛いですね。…梨央様がいらっしゃるからピーターは寂しくないですね」
「ええ、ピーターはロンドンから1人で来たから、夜は一緒に寝てあげなくちゃ泣いちゃうの」
ぬいぐるみを優しく撫でる梨央を見ながら、月城はぽつりと呟く。
「…縣様は、梨央様がお好きなものをよくご存知ですね…」
「え?」
「…ピアノもお上手で、梨央様が困った時にはすかさず助けて下さる…まるで王子様ですね、縣様は…」
梨央はきょとんとした顔をする。
「…縣様が梨央の王子様なの?」
「お二人でピアノを弾いていらっしゃるお姿、とてもお似合いでした…」
月城は優しく笑う。
梨央は首を傾げる。
「月城、どうしたの?何だか寂しそう…」
「す、すみません。…気になさらないで下さい。…梨央様に頼もしい後見人の縣様がいらっしゃることはとても良いことです。しかも縣様は非の打ち所がない素晴らしい方ですしね」
月城は明るく笑う。
梨央はそんな月城をじっと見つめる。
「…縣様はお優しいから梨央は大好き」
「…はい…」
…当然だ…。
梨央の小さな手が月城の頬に伸びる。
温かく柔らかい手のひらが月城の頬を包む。
「…でも、月城は特別…」
「…え?」
「…月城は梨央だけの騎士でしょう?」
「は、はい!」
梨央の黒曜石のような瞳が笑う。
「お父様が仰っていたわ。月城はずっとずっと梨央の側にいて護ってくれる騎士だって。一生、梨央の側にいてくれる騎士だって」
「もちろんです!一生お側におります!」
梨央が林檎の花のように清らかに微笑む。
そして、背伸びして月城に近づくと
「…だから月城は特別」
と耳元で囁いた。
思わず梨央を見つめる。
長い睫毛が触れ合いそうな距離…。
月城の胸の鼓動は高まる。
梨央の甘い吐息が月城の頬に触れたかと思うと
「大好き、月城」
そう呟くと梨央は月城の頬にキスした。
「…え⁈」
月城は眼鏡の奥の瞳を見開く。
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