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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 聖なる贈り物
人形を見つめている梨央の頬が次第に薔薇色に輝き出した。
「…すごく可愛い…!」
縣はほっとしたように笑った。
「気に入っていただけて良かったです。…梨央さんに似ているでしょう?」
梨央はびっくりしたように縣を見つめ、赤くなり首を振る。
「似てません…梨央はこんなに綺麗じゃないもの…」
「そんなことありませんよ。…さらさらの髪、白い肌、澄んだ瞳、可愛らしいお鼻、艶やかな唇…梨央さんは本当にお美しい…お人形以上のお美しさです…私は、梨央さん以上にお美しい女性を未だに拝見したことがありません」
縣の言葉にいつもとは違う熱が入る。
それは梨央を少女として愛でているのではなく、1人の恋する男が1人の女性に対して、愛を告白しているような情熱だった。
「…大きくご成長されたら…どんなお美しいレディになれるのか…想像するだけで胸がときめきます…」
縣の眼差しは相変わらず優しかったがその瞳の奥には滾る熱があった。
しかし、幼い梨央にはまだその温度と色を汲み取ることは出来ない。
恥じらいながら笑い、縣に無邪気に人形の礼を言う。
「ありがとうございます。縣様。大切にいたします」
そして、人形を抱き抱えながら、月城の方に駆け寄る。
「見て、月城!こんなに可愛らしいお人形をいただいたのよ!ねえ、綺麗なお人形さんでしょう?」
固唾を飲んで2人のやり取りを見守っていた月城は、慌てて笑顔を作る。
「本当ですね。綺麗なお人形さんです。…良かったですね、梨央様。素晴らしいクリスマスプレゼントを頂きましたね…」
縣はふと我に返り、自分の過ぎた言葉を反省するように苦笑した。
「梨央さんに喜んでいただけて良かったです。…それとあと一つ…」
縣はポケットからリボンで飾られた小箱を取り出す。
「こちらもプレゼントです」
「…こんなに沢山?」
「開けてみて下さい」
梨央の小さな手がリボンを解く。
中からはベルベットの宝石ケース…。
箱を開けた梨央の瞳が大きく見開かれる。
「わあ…!綺麗!」
中から現れたのは見事なピンクカメオの髪留めであった。
月城ははっと一瞬息が止まった。
そのカメオは宝石に詳しくない月城でさえ、いかに高価なものか一目でわかるような素晴らしいものだった。
高貴な美しいピンクカメオに少女の横顔がレリーフされている。
…僕が買ったものなど、比べものにもならない…。
月城の胸は暗く沈んで行った。
「…すごく可愛い…!」
縣はほっとしたように笑った。
「気に入っていただけて良かったです。…梨央さんに似ているでしょう?」
梨央はびっくりしたように縣を見つめ、赤くなり首を振る。
「似てません…梨央はこんなに綺麗じゃないもの…」
「そんなことありませんよ。…さらさらの髪、白い肌、澄んだ瞳、可愛らしいお鼻、艶やかな唇…梨央さんは本当にお美しい…お人形以上のお美しさです…私は、梨央さん以上にお美しい女性を未だに拝見したことがありません」
縣の言葉にいつもとは違う熱が入る。
それは梨央を少女として愛でているのではなく、1人の恋する男が1人の女性に対して、愛を告白しているような情熱だった。
「…大きくご成長されたら…どんなお美しいレディになれるのか…想像するだけで胸がときめきます…」
縣の眼差しは相変わらず優しかったがその瞳の奥には滾る熱があった。
しかし、幼い梨央にはまだその温度と色を汲み取ることは出来ない。
恥じらいながら笑い、縣に無邪気に人形の礼を言う。
「ありがとうございます。縣様。大切にいたします」
そして、人形を抱き抱えながら、月城の方に駆け寄る。
「見て、月城!こんなに可愛らしいお人形をいただいたのよ!ねえ、綺麗なお人形さんでしょう?」
固唾を飲んで2人のやり取りを見守っていた月城は、慌てて笑顔を作る。
「本当ですね。綺麗なお人形さんです。…良かったですね、梨央様。素晴らしいクリスマスプレゼントを頂きましたね…」
縣はふと我に返り、自分の過ぎた言葉を反省するように苦笑した。
「梨央さんに喜んでいただけて良かったです。…それとあと一つ…」
縣はポケットからリボンで飾られた小箱を取り出す。
「こちらもプレゼントです」
「…こんなに沢山?」
「開けてみて下さい」
梨央の小さな手がリボンを解く。
中からはベルベットの宝石ケース…。
箱を開けた梨央の瞳が大きく見開かれる。
「わあ…!綺麗!」
中から現れたのは見事なピンクカメオの髪留めであった。
月城ははっと一瞬息が止まった。
そのカメオは宝石に詳しくない月城でさえ、いかに高価なものか一目でわかるような素晴らしいものだった。
高貴な美しいピンクカメオに少女の横顔がレリーフされている。
…僕が買ったものなど、比べものにもならない…。
月城の胸は暗く沈んで行った。