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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 聖なる贈り物
縣がそのカメオを手に取り、
「付けて差し上げても良いですか?」
と、梨央に尋ねる。
梨央は嬉しそうに頷くと、カチューシャを外す。
縣が器用に、愛しげに梨央の髪をハーフアップに束ね、カメオの髪飾りを付ける。
黒い絹糸のように美しい梨央の髪に、高価なピンクカメオは良く映えて、まるで梨央のために作られたもののようだった。
ピンクカメオの髪飾りを付けた梨央は、年より大人びて見え…幼女から少女へと変貌しつつある一片すら垣間見られた。
「…よくお似合いです。とてもお綺麗だ…」
縣が感に耐えたように呟く。
梨央は照れつつも鏡に写してカメオを触る。
「ありがとうございます…縣様」
梨央は嬉しそうに縣を見上げる。
「…どういたしまして、梨央さん」
仲睦まじい2人の様子を見ていると、月城は切ない胸の痛みに襲われた。
「…お茶の支度をしてまいります。縣様、ごゆっくりおくつろぎくださいませ」
控えめに声をかけ、一礼し梨央の部屋を出る。
…その夜、月城は自室の机の引き出しに仕舞った珊瑚の髪留めの箱を取り出した。
…梨央様には、やはり高価なお品がお似合いになるのだ…。
僕が買えるような品物をプレゼントにだなんて…おこがましかったな…。
縣が贈った芸術品のようなピンクカメオが目に浮かんだ。
月城は寂しげな微笑を浮かべ、その箱を机の引き出しの奥深くに仕舞い込んだのだった。
「付けて差し上げても良いですか?」
と、梨央に尋ねる。
梨央は嬉しそうに頷くと、カチューシャを外す。
縣が器用に、愛しげに梨央の髪をハーフアップに束ね、カメオの髪飾りを付ける。
黒い絹糸のように美しい梨央の髪に、高価なピンクカメオは良く映えて、まるで梨央のために作られたもののようだった。
ピンクカメオの髪飾りを付けた梨央は、年より大人びて見え…幼女から少女へと変貌しつつある一片すら垣間見られた。
「…よくお似合いです。とてもお綺麗だ…」
縣が感に耐えたように呟く。
梨央は照れつつも鏡に写してカメオを触る。
「ありがとうございます…縣様」
梨央は嬉しそうに縣を見上げる。
「…どういたしまして、梨央さん」
仲睦まじい2人の様子を見ていると、月城は切ない胸の痛みに襲われた。
「…お茶の支度をしてまいります。縣様、ごゆっくりおくつろぎくださいませ」
控えめに声をかけ、一礼し梨央の部屋を出る。
…その夜、月城は自室の机の引き出しに仕舞った珊瑚の髪留めの箱を取り出した。
…梨央様には、やはり高価なお品がお似合いになるのだ…。
僕が買えるような品物をプレゼントにだなんて…おこがましかったな…。
縣が贈った芸術品のようなピンクカメオが目に浮かんだ。
月城は寂しげな微笑を浮かべ、その箱を机の引き出しの奥深くに仕舞い込んだのだった。