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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 聖なる贈り物
橘は自分の執務室に月城を招き入れた。
橘の執務机の上には、色鮮やかなクリスマスカラーの包装紙とリボンで彩られ、飾られた大きな形の異なる箱が幾つも積み重なっていた。
「…あの…これは…?」
橘が重々しく答える。
「旦那様から梨央様へのクリスマスプレゼントだ。…一つ前の船便で品物だけ先に着いたらしい。…慎重な旦那様が、万が一ご自分が間に合わない時の為に先に送られたのかも知れないな」
「そうだったのですか…」
…お優しく思慮深い旦那様らしい行動だ…。
橘が溜息を吐く。
「…しかし…あのように悲しまれている梨央様にこれをお渡ししても…旦那様にお会い出来ない寂しさが増すばかりかも知れないな…折角のクリスマスイブだと言うのに…さて、どうしたものか…」
月城は暫く考えこんでいたが、一つの考えが頭に閃き、何かを決心したかのように、緊張気味に口を開いた。
「…あの…橘さん。…私に一つ考えがあるのですが…ご承知いただけますでしょうか…」
橘は、眉を上げて月城を見る。
「なんだね?言ってみなさい」
「…はい。…あの…」
月城は橘の耳元で真剣に囁く。
…窓の外では今年初の雪が降り始めていた…。
橘の執務机の上には、色鮮やかなクリスマスカラーの包装紙とリボンで彩られ、飾られた大きな形の異なる箱が幾つも積み重なっていた。
「…あの…これは…?」
橘が重々しく答える。
「旦那様から梨央様へのクリスマスプレゼントだ。…一つ前の船便で品物だけ先に着いたらしい。…慎重な旦那様が、万が一ご自分が間に合わない時の為に先に送られたのかも知れないな」
「そうだったのですか…」
…お優しく思慮深い旦那様らしい行動だ…。
橘が溜息を吐く。
「…しかし…あのように悲しまれている梨央様にこれをお渡ししても…旦那様にお会い出来ない寂しさが増すばかりかも知れないな…折角のクリスマスイブだと言うのに…さて、どうしたものか…」
月城は暫く考えこんでいたが、一つの考えが頭に閃き、何かを決心したかのように、緊張気味に口を開いた。
「…あの…橘さん。…私に一つ考えがあるのですが…ご承知いただけますでしょうか…」
橘は、眉を上げて月城を見る。
「なんだね?言ってみなさい」
「…はい。…あの…」
月城は橘の耳元で真剣に囁く。
…窓の外では今年初の雪が降り始めていた…。