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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 聖なる贈り物
笑い転げる梨央を、サンタクロースは呆気に取られ眺めていたが…
「…ど、どうしたのかな?お嬢さん。何がおかしいのかな…?」
おどおどと尋ねるサンタクロースに、梨央が涙を拭いながら、笑い声を滲ませて答える。
「…つ、月城…月城でしょ?…あなた…だって…眼鏡!眼鏡をかけているサンタさんなんかいないわ!フフフ…おかしい…あははは…!」
月城サンタははっと眼鏡に手をやる。
…しまった!眼鏡…眼鏡を外すのを忘れていた!
愕然とし、棒立ちになる月城を梨央は尚も笑いながら見つめ、やがて笑いが収まると恥ずかしそうに口を開いた。
「…ありがとう、月城。…梨央のためにサンタさんになってくれたのね…」
「…梨央様…」
気を取り直し、月城は苦笑しながら答える。
「…はい。…他にもたくさんの人が手伝ってくださいました」
月城の視線の方に目をやると…
廊下から団子のように固まりながら、心配そうにこちらの様子を伺う春や茅野や大…そして橘の姿があった。
梨央は皆を見渡すと、花が咲いたように笑った。
「…ありがとう、みんな…心配かけてごめんなさい…」
一同はうっとりと魔法にかかったように梨央の笑みを見つめる。
橘も別人のように目元を和ませたがすぐに咳払いし、硬い表情を作り、答えた。
「…梨央様がお元気になられて何よりです」
梨央が春に甘えた声をかける。
「笑ったらお腹がすいちゃった。春、なにかある?」
春はにこにこ笑い
「はい!ございますとも!…実は今、七面鳥を焼いていたのです。それから梨央様のお好きなヨークシャープディングもフレンチフライも…今お持ちしますよ。…さあさあ、みんな手伝っとくれ!」
茅野と大が賑やかに春の後を続く。
橘は梨央に一礼し、月城と目が合うと口元に少しだけ笑みを浮かべ、そのまま踵を返した。
「…ど、どうしたのかな?お嬢さん。何がおかしいのかな…?」
おどおどと尋ねるサンタクロースに、梨央が涙を拭いながら、笑い声を滲ませて答える。
「…つ、月城…月城でしょ?…あなた…だって…眼鏡!眼鏡をかけているサンタさんなんかいないわ!フフフ…おかしい…あははは…!」
月城サンタははっと眼鏡に手をやる。
…しまった!眼鏡…眼鏡を外すのを忘れていた!
愕然とし、棒立ちになる月城を梨央は尚も笑いながら見つめ、やがて笑いが収まると恥ずかしそうに口を開いた。
「…ありがとう、月城。…梨央のためにサンタさんになってくれたのね…」
「…梨央様…」
気を取り直し、月城は苦笑しながら答える。
「…はい。…他にもたくさんの人が手伝ってくださいました」
月城の視線の方に目をやると…
廊下から団子のように固まりながら、心配そうにこちらの様子を伺う春や茅野や大…そして橘の姿があった。
梨央は皆を見渡すと、花が咲いたように笑った。
「…ありがとう、みんな…心配かけてごめんなさい…」
一同はうっとりと魔法にかかったように梨央の笑みを見つめる。
橘も別人のように目元を和ませたがすぐに咳払いし、硬い表情を作り、答えた。
「…梨央様がお元気になられて何よりです」
梨央が春に甘えた声をかける。
「笑ったらお腹がすいちゃった。春、なにかある?」
春はにこにこ笑い
「はい!ございますとも!…実は今、七面鳥を焼いていたのです。それから梨央様のお好きなヨークシャープディングもフレンチフライも…今お持ちしますよ。…さあさあ、みんな手伝っとくれ!」
茅野と大が賑やかに春の後を続く。
橘は梨央に一礼し、月城と目が合うと口元に少しだけ笑みを浮かべ、そのまま踵を返した。