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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 聖なる贈り物
梨央はますみと茅野に手伝ってもらい、髪を綺麗に結い上げ、濃紺のベルベットのワンピースに着替えた。
美しく装った梨央は西洋人形のような優雅な輝きに包まれる。
そして春の心尽しのクリスマスディナーが梨央の部屋のテーブルに並べられる。
テーブルの上には、七面鳥のロースト、ヨークシャープディング、フレンチフライ、野菜のキッシュ、そして春が密かに焼いていたブッシュドノエル…とクリスマスの見事なご馳走が揃った。
梨央が嬉しそうに料理を見渡す。
梨央の食事の給仕を始めた月城に、梨央がねだる。
「ねえ、月城。梨央と一緒にお食事して」
月城は慌てて首を振る。
「いけません。私が梨央様とご一緒にお食事など…」
「いいじゃない。梨央、一人で食べるの寂しいの…」
「…しかし、私は下僕ですのでお嬢様と同じテーブルでお食事をするわけには…」
その時、部屋の隅に控えていた橘が咳払いをした。
「…良いではないですか?…今宵はイブです。…しかも梨央様の前にいるのは下僕ではなく、サンタクロースですからね。…食卓を共にしても問題ないでしょう」
「橘さん…」
梨央が瞳を輝かせ橘に駆け寄り、抱きつく。
「橘!ありがとう!大好きよ!」
橘はこれ以上ないほど相好を崩し、梨央の髪を撫でる。
そしてまるで愛しい孫娘に語りかけるように
「…梨央様。クリスマスおめでとうございます」
と、伝えたのだった。
美しく装った梨央は西洋人形のような優雅な輝きに包まれる。
そして春の心尽しのクリスマスディナーが梨央の部屋のテーブルに並べられる。
テーブルの上には、七面鳥のロースト、ヨークシャープディング、フレンチフライ、野菜のキッシュ、そして春が密かに焼いていたブッシュドノエル…とクリスマスの見事なご馳走が揃った。
梨央が嬉しそうに料理を見渡す。
梨央の食事の給仕を始めた月城に、梨央がねだる。
「ねえ、月城。梨央と一緒にお食事して」
月城は慌てて首を振る。
「いけません。私が梨央様とご一緒にお食事など…」
「いいじゃない。梨央、一人で食べるの寂しいの…」
「…しかし、私は下僕ですのでお嬢様と同じテーブルでお食事をするわけには…」
その時、部屋の隅に控えていた橘が咳払いをした。
「…良いではないですか?…今宵はイブです。…しかも梨央様の前にいるのは下僕ではなく、サンタクロースですからね。…食卓を共にしても問題ないでしょう」
「橘さん…」
梨央が瞳を輝かせ橘に駆け寄り、抱きつく。
「橘!ありがとう!大好きよ!」
橘はこれ以上ないほど相好を崩し、梨央の髪を撫でる。
そしてまるで愛しい孫娘に語りかけるように
「…梨央様。クリスマスおめでとうございます」
と、伝えたのだった。