この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 聖なる贈り物
食事が済むと、梨央は暖かい火がぱちぱちと爆ぜる暖炉の前に座り、伯爵からのクリスマスプレゼントを開け始めた。
月城は梨央の為のホットミルクを準備しながらその様子を微笑ましく眺める。
「見て、月城!お父様のプレゼント!」
梨央が次々と箱を開けては歓声を上げる。
中からは、レースがふんだんにあしらわれた白いシルクのドレス、見事なオーストリッチの羽根飾りが付いた帽子、可愛らしい飾りが付いたストラップの赤い靴など…
センスの良い伯爵が選んだ品が良く仕立ての良いものばかりが現れる。
梨央の顔が贈り物を眺めるたびに輝く。
月城はそんな幸せそうな梨央を見るだけで胸が温かくなる。
「本当に、見事な素晴らしいお品ばかりですね。旦那様は梨央様にお似合いになるものをよくご存知です」
梨央が嬉しそうに笑う。
少しして、梨央が次の間に姿を消した。
…旦那様のプレゼントをお召しになるのかな…?
そう思いながら、梨央の就寝の支度を始めた月城の目の前に、白い小さな手が綺麗な紙包みを差し出す。
「…?梨央様?」
「…メリークリスマス、月城。…梨央からのクリスマスプレゼントよ」
月城の瞳が驚きのあまり見開かれ、一瞬声を失う。
「…わ、私に…ですか?」
梨央はにこにこ笑いながら頷く。
「ええ。…開けてみて?」
僅かに震える手で紙包みを開ける。
…中からは出て来たのは、真っ白な上質なハンカチ…
しかも綺麗な糸で刺繍が施されたハンカチだった。
月城が黙りこくっているので、梨央が珍しく饒舌に話し出す。
「…梨央が刺繍したの。月城の名前を刺繍したのよ。茅野に教えてもらって…」
「…」
…あの時、二人でいたのは…これだったのか…。
「…梨央、お買い物にでられないでしょ?でも月城にどうしても何かプレゼントしたかったの。…茅野に相談したら刺繍入りのハンカチがいいんじゃないか…て。月城は綺麗好きだからハンカチはきっと喜ぶから…て。…でも…初めて刺繍したからあまり上手くできなくて…綺麗じゃないのだけど…月城…?気に入らない…?」
余りに沈黙が長くて不安になった梨央が尋ねる。
月城は必死で首を振る。
「…とんでもありません!…嬉しくて…信じられなくて…感激して…言葉が出ないのです…。ありがとうございます…こんなに素晴らしいクリスマスプレゼントを…本当に…本当に…」
白いハンカチの上に一粒の涙が溢れ落ちる。
月城は梨央の為のホットミルクを準備しながらその様子を微笑ましく眺める。
「見て、月城!お父様のプレゼント!」
梨央が次々と箱を開けては歓声を上げる。
中からは、レースがふんだんにあしらわれた白いシルクのドレス、見事なオーストリッチの羽根飾りが付いた帽子、可愛らしい飾りが付いたストラップの赤い靴など…
センスの良い伯爵が選んだ品が良く仕立ての良いものばかりが現れる。
梨央の顔が贈り物を眺めるたびに輝く。
月城はそんな幸せそうな梨央を見るだけで胸が温かくなる。
「本当に、見事な素晴らしいお品ばかりですね。旦那様は梨央様にお似合いになるものをよくご存知です」
梨央が嬉しそうに笑う。
少しして、梨央が次の間に姿を消した。
…旦那様のプレゼントをお召しになるのかな…?
そう思いながら、梨央の就寝の支度を始めた月城の目の前に、白い小さな手が綺麗な紙包みを差し出す。
「…?梨央様?」
「…メリークリスマス、月城。…梨央からのクリスマスプレゼントよ」
月城の瞳が驚きのあまり見開かれ、一瞬声を失う。
「…わ、私に…ですか?」
梨央はにこにこ笑いながら頷く。
「ええ。…開けてみて?」
僅かに震える手で紙包みを開ける。
…中からは出て来たのは、真っ白な上質なハンカチ…
しかも綺麗な糸で刺繍が施されたハンカチだった。
月城が黙りこくっているので、梨央が珍しく饒舌に話し出す。
「…梨央が刺繍したの。月城の名前を刺繍したのよ。茅野に教えてもらって…」
「…」
…あの時、二人でいたのは…これだったのか…。
「…梨央、お買い物にでられないでしょ?でも月城にどうしても何かプレゼントしたかったの。…茅野に相談したら刺繍入りのハンカチがいいんじゃないか…て。月城は綺麗好きだからハンカチはきっと喜ぶから…て。…でも…初めて刺繍したからあまり上手くできなくて…綺麗じゃないのだけど…月城…?気に入らない…?」
余りに沈黙が長くて不安になった梨央が尋ねる。
月城は必死で首を振る。
「…とんでもありません!…嬉しくて…信じられなくて…感激して…言葉が出ないのです…。ありがとうございます…こんなに素晴らしいクリスマスプレゼントを…本当に…本当に…」
白いハンカチの上に一粒の涙が溢れ落ちる。