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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 Fly me to the Moon
就寝の準備が全て整うと、茅野は恭しく一礼し部屋を辞した。
間も無く内側の扉が待ちかねたように開かれ、白いネグリジェ姿の梨央が現れた。
「光お姉様!」
梨央は光に駆け寄り、抱きつく。
その様はまるで母親との再会を待ち侘びた子供のようである。
「まあ、梨央さん、どうしたの?」
「光お姉様が本当にいらっしゃるか心配になってしまったの。…いらして良かったわ!」
光にしがみついたまま瞳を輝かせて梨央は見上げる。
「…可愛いことを仰ること…」
光は梨央の清らかに輝く白い頬を両手で包み込み顔を近づける。
「…本当に愛らしいわね、梨央さんは。…パリのリセにも貴女のように可愛らしくて美しい女の子はいなかったわ」
梨央の頬が紅潮し、くすぐったそうに目が細められる。
「…嘘。あちらには美しくて洗練された方ばかりでしょう?…梨央はいつまでも子供っぽくて…恥ずかしいわ。…ばあやにももっと大人になさいませと言われてばかりなの」
光は梨央を優しく抱き締める。
梨央からは朝咲いたばかりの可憐な白薔薇の香りがした。
「そこが貴女の良いところなのに…。無垢で清らかで誰にも汚されていない…天使のようだわ」
艶やかな美しい黒髪にそっと口付けをする。
光は梨央の髪を撫でてやりながら、囁く。
「…ねえ、梨央さん。…昔のように私と一緒に寝る?」
梨央が光からぱっと身体を離し、その美しい瞳を見開く。
「よろしいの?光お姉様!」
「ええ、もちろん。…昔はいつも一緒に寝んだわよね。…別々に寝ても梨央さんがすぐにべそをかきながら私の部屋にいらっしゃるの。お姉様、いっしょにねて!て…」
梨央はその頃のことを思い出して赤くなる。
「嫌なお姉様!その頃はまだ子供だったから…」
「フフフ…可愛かったわ…いつも私にしがみついてすやすや寝ていらしたわね」
「もう!お姉様ってば!」
梨央はそれ以上言わせまいと光に抱きつき顔を擦り付ける。
「…光お姉様…いい匂い…。…私のお母様の匂いに似ているわ…」
小さな声で呟いた梨央が愛しくて、光は抱き締める腕に力を込める。
「…梨央さん…」
…可愛いひと……私の愛するひと…
…貴女にずっと逢いたかった…
…だから私は帰国したの…
…貴女を私のものにするために…

光はどこかひんやりとした魅惑的な眼差しに微笑を浮かべ、梨央を寝台へと誘った。
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