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背徳のディスタンス
第2章 教育担当

 午後も望とは、ずっと一緒だ。教育担当である限り、ほぼ毎日行動を共にする。ディスクは隣だし、彼が業務をこなしている間も見ていなければいけない。自分の業務をこなしながらのそれはなかなか骨が折れるけれど、望は本当に優秀でほとんどミスもなく、その点とても楽だった。
 今日は、奈々が受け持つ案件も少なく、比較的暇だった。
 仕事が暇だと思考も自然と別の方向に移る。
 奈々の手が、無意識にスカートの前を触っていた。

(あ……まだダメよ。こんな、人がいっぱいいる時に)

 慌てて手を離す。不振な行動を周りに見られていないか不安になり、顔を伏せて目だけで周囲を見渡した。

(触りたい……あそこ)

 そんな欲求が淫らに這い上がってくる。奈々は必死にそれを抑え込もうと努めた。

(定時が終わったら。人が……少なくなったら)

 今日も社内で、人目につかない場所で自慰をしようと決めた。ここのところほぼ毎日だ。背徳的な一人遊びが奈々はやめられなくなっていた。
 初めて社内でオナニーをしたのは、今から二ヶ月ほど前だ。
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