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背徳のディスタンス
第2章 教育担当
最初はほんの出来心だった。望が初めての教育担当というのもあり、新人教育に関して慣れないことも多い。そのため、遅くまで残業せざるをえないことも多かった。その日も雑務が終わらず、一人パソコンのディスプレイとにらめっこしていた。
ふと顔をあげると、残っている社員は数人だけ。集中が途切れ、奈々の思考がふとそちらへと移る。
股関が熱くなるのを感じた。魔が差したように、触りたい欲求に苛まれる。
奈々はオナニーが好きだった。生理中以外、ほぼ毎日行っている日課のようなものだ。男に対して、性的な話に対して苦手意識が強い反面、性欲は人一倍強いと自覚していた。
その原因はおそらく育った家庭環境にある。奈々の両親は小さい頃から奈々に厳しかった。一人娘というのもあるのだろう。両親ともに教育熱心で過保護なところがあり、小学生の頃から成績は常に上位キープを義務付けられてきたし、そのために幾つも塾に通わされた。中学から大学を出るまで、全て彼女の親が決めた道を歩まされた。エリートを望む親の期待に奈々は応え続けてきた。