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背徳のディスタンス
第4章 欲望の行方
「ちょっと出かけてきます。昼頃また来ますね。堀内先輩」
「……うん」
ディスプレイを見つめたまま素っ気なく答える奈々。ようやく背後の望の気配が消えて、ほっと胸を撫で下ろした。
一緒にランチをするだけなのに、心臓がどくどくと妙にうるさかった。奈々は目を閉じ深呼吸する。
望に投げかけられた意地悪な視線に、体が反応していた。
(……濡れた)
真っ昼間っから。本当に自分の体はどうなっているのかと思う。
元から強かった性欲は、望にイカされたあの日を境にますます強くなってしまった。
仕事に集中しようにも、気付くと奈々はエッチなことばかりを考えてしまう。
(今日はご飯だけ)
こんな昼間から、何かされることはないだろう。奈々は仕事に集中すべく、キーボードを叩いた。