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背徳のディスタンス
第5章 淫らな遊び
普段自分で使う大人のおもちゃに比べれば、なんてことのない振動なのに。
ここが社内であることと周りの人間を意識すればするほど、奈々の体温は上がっていく。
「今日は昼……いいや」
「なんで? 体調でも悪い?」
穂波が心配そうに、顔を寄せてくる。
奈々はその場から立ち上がった。
「ううん、あんまりお腹すいてないだけ。売店でパンと飲み物買ってくる」
いつもだいたい昼食は穂波と一緒に食堂で取る。だが、今日はなるべく一人でいたかった。
穂波の返事も待たず、室内を出る。早足に通路を進み、周りに人がいないのを確認して小会議室に逃げ込んだ。
部屋の名の通り、数名で行う小規模な会議の時に使うところだ。
長机が五列並べられているだけのシンプルな部屋で、一番前にはホワイトボードが置いてあった。
奈々は部屋のドアを閉め、壁に体を寄りかからせて一度深呼吸する。
ブラの中はまだ振動している。焦れったいくらいの微弱さで。
直接胸を揉みしだきたい衝動を抑え、もう一度深く息を吐いた。
その時だった。
小会議室のドアが開いた。