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背徳のディスタンス
第1章 プロローグ
こんな、脅しめいた言葉を吐く子じゃないはずなのに。
望がふいに口元を歪めた。見たこともないような、意地の悪い笑みだ。
「……それとも聴かれたいんです? 喘ぎ声。さっきの押し殺したような声、聴こえてましたよ、廊下まで」
「んんぅっ」
口を塞がれ言葉を発せない代わりに激しく首を振った。否定の意味を示すためだ。
彼の手を退かそうと、奈々が望の手首を掴んだのとほぼ同時だった。
もう片方の望の手が、奈々の太ももに触れる。
すでに薄いタイツは脱いでいた。肌に直接触れられさらにはゆっくりと撫でられ、奈々の体がびくんと反応する。
「敏感なんですね。自分でできないなら、俺がしてあげます」
「……ん!?」
望は何を言っているんだろうと思う。奈々は目を見開いて彼の顔を凝視した。
望の手がゆっくりと、太ももを這い上がり秘部へと近づく。
(……ダメ)
さっきまで触っていた体はまだ火照ったままだ。内股を軽く撫でられただけで、いやらしい蜜が溢れ出る。
そこじゃない、もっとキモチノイイトコロを直接触ってほしい。