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背徳のディスタンス
第1章 プロローグ

 無意識にそんなふうに思う。期待に中がひくつくのがわかった。
 奈々の口を塞いでいた望の手が、ふいに離れた。一拍遅れて内股を這う手も離れる。

「……嫌がってるようには、見えないですけど」

 かぁっと顔が熱くなった。

「い、嫌に決まって……んん!」
「だから、声大きいですって」
「……う、んんっ」

 再び口を塞がれた。どうにか彼の手から逃れようとがむしゃらに首を振るが、逃げられない。
 今度は少し乱暴に、スカートの中をまさぐられた。脱ぎかけたショーツに彼の手が触れたのがわかった。

「やっぱりここ、触ってたんですね」
「んうっ」

 バレているのはわかっていても、改めて指摘されると恥ずかしくてたまらなかった。
 望の手が、奈々の秘部へと触れた。

「ん、んうっ」

 体が跳ねた。ずっと触ってほしかった場所だ。

「すごい、ぐちょぐちょに濡れてますよ? さっきまでしてたから? それとも、俺にこうやって触られてるからですか?」
「ん……んぅ、ふぅ……っ」

 ごまかしようのない体の反応を、一つ一つ言葉で指摘されるのが恥ずかしくて仕方なかった。多分、どっちもだ。
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