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背徳のディスタンス
第1章 プロローグ

 望の指がクリを掠める。

「……んんっ」

 片手で奈々の口を塞ぐ望の手の甲を握り、もう片方で秘部をまさぐる望の腕を引き剥がそうと掴む。だけど両方ともびくともしなかった。
 クリを撫でる速度があがる。

「ふ、んーっ」

 一度絶頂直前まで追い上げられていた体は、すぐにまた火がつく。

(あ……、も、だめぇ……っ)

 抵抗する暇もなかった。奈々の背が反り上がり、体がびくびくと痙攣した。頭の中が真っ白く弾け、どろりと濃い愛液が溢れるのがわかった。
 ……達した。イッてしまった。
 それが伝わったのか、望の両手が離れた。
 奈々はぐったりと座り込んだまま荒い呼吸を整える。まだ余韻が引かない。ぶるりと震えてしまう。

「……マジで、イッたんすか?」

 素で驚いたような、望の呟き。

「待っ……、違……」

 否定しようとした瞬間、顎を捉えられ無理やり顔を上げさせられる。

「見せてくださいよ、先輩のアヘ顔」
「や、やだぁ……」

 顔を背けたいのに、固定されてそれもかなわない。目の前には整った望の顔。羞恥で死にたくなった。
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