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いとおしい青
第7章 酔い
由貴がふらつき柱にぶつかりそうになる。
安部が後ろから由貴の肩を支えた。
「危ないよ由貴さん、ふらつきすぎだよ。
 少し休みましょ。」

「うぅ…はい。」
安部から離れたかったが そうもいかない。
座ってる時はどうもなかったが
歩くと気持ち悪くなっていく。
由貴は安部に支えられた。

何分歩いただろう
ここってホテルだよね?

「由貴さん、ここまで来てくれたって事はOKって事?」
何の事?安倍さんが支えてくれたから歩いただけ。

「えっ…ちょっ…」
気づいたときには既にホテルの部屋の前だった。

酔ったら義之も忘れられるかと思った。
他の男とエッチしたら忘れられるかな?


ところが逆で安部に触られるごとに鳥肌が立っていった。
こんなに気持ち悪いなんて…

「離して❗」
由貴を触ろうとした安部の腕を振り払うと由貴は走った。

エレベーターでフロントに降りると出口へ向かう。
入口から義之が女と二人で入って来るのが見えた。

こんな時に限って同じホテルで会うなんて。

「ほぉ性欲、結構あるんだね。」

義之は由貴に微笑んできた。

「よっちゃんもね。」
由貴は答えた。

「ちょっと誰?この人」
義之の左腕にくっつく女が話す。
「知り合い。」


もう私達は幼なじみでも何でもなくなったのね。
そう思うと由貴は俯いてホテルを後にした。
涙が止まらなかった。




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