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いとおしい青
第15章 ブリキの缶
出たのはいいが
タワーマンションにも帰れなかった。

とりあえず数日分の着替えを
タワーマンションに取りに行った。

不思議そうに見る由貴。
「どうしたの?具合でも悪い?」

義之は荷物をまとめるとこう言った。
「大丈夫。急な出張でしばらく帰らない。」
と嘘をついた。


今の俺には一緒にいる理由がなかった。
気持ちが揺らぐ。
由貴の人生を奪ってよかったのか?

よりによって何で …不倫相手がお互いの親なんだ。
由貴は気づいてるのか?
いや知ってたら俺と一緒にならないだろう。

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