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新月の闇 満月の光
第9章 流転の兆し
箱の中に在るのは、白い液体の入った大小様々な瓶やプラスチック容器。
オーソドックスな入れ物から、可愛い小物のような瓶まで。
色の濃さはまちまちなれど、どれも此も、乳白色には違いは無く………… 。
「『mahiro』さん……これって… 、アレですか? 」
「ん? あぁ、まあ、お前の想像通りってとこだな。どこぞの阿呆が、由芽をおかずにした残骸。好き過ぎて過激な行動に出た結果が、このゴミ箱だ」
「ははっ……、淡々と言いますねぇ。『mahiro』さん」
合坂の感心したのか呆れたのか、よく分からない声音を遮るかの如く。
「その実、腸は煮えくり返って……って奴ですか? やっぱ」
と、木坂が横槍を入れた。
「愚問だぞ、木坂」
木坂の言葉に、間髪入れずに応える。
木坂は、惚けたような声音を発し、から笑いをして言った。
「ですよね~。俺んとこは、修が男で良かった~って感じですもん。酷くても使用済みパンツ位ですからねー」
勿論、全てが万事こんなモノでは無い。
けれど、うちが多い、と、言うのも確かだった。
そんな日々変わらない行動の中で、俺は、万が一と、言い切れる確率の出来事に遭遇してしまった。
、見つけてしまった。
全ての事柄の、頑強に成るあの手紙を。