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新月の闇 満月の光
第1章 貴方の暗闇
真紘さん…………。
真紘…………。
結芽は、立ち上がり、クローゼットに嵌まる姿見に、己を写す。
毎夜抱かれる結芽の身体には、消える事の無い所有印。
服を着て、見えそうな所には付けられてはいない。
── 真紘さんの、職業病かしら? ──
確認しようと少し脚を開けば、昨夜の名残が内股を伝う。
彼は、絶対避妊をしない。
幾度も結芽の中で果てる。
だからと言う訳か、避妊の為に結芽はこっそりピルを飲んでいた。
真紘の子供は、欲しい。
けれど、喜んで欲しいと思うのが女心と言うモノ。
今の状況では、生まれる子供が不憫で。
父親になる真紘に悪くて。
行動になんて移せなかった。
ねぇ、真紘さん。
私は…………。
貴方の何ですか?
なんて…………。
これはあたしが決めた道だから。
思いがあれば、天にも昇る気持ちになる結芽だけれど、彼女は逸れを望め無い。
────今は望んじゃいけないの……。