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新月の闇 満月の光
第1章 貴方の暗闇
────ええっと、真紘さんは?
相も変わらず、この時間、此処に真紘は居ない。
結芽は……今日はオフだ。
────平日だから、真紘さんはお仕事なのね。
リビングを通過して、バスルームを目指す結芽だけれど、リビングのガラステーブルには、昨夜真紘に、一枚一枚剥がされた衣服が綺麗に畳まれて乗せられている。
真紘が、乱暴な手付きで脱がせた下着まで。
玄関の廊下から寝室まで、移動の間に剥がされ落とされた衣服達。
彼の部屋のベットに投げ出される頃には、結芽は、産まれた時の姿にされていた。
昼間の真紘は、結芽を自社商品として扱うのに、夜の彼は結芽を、愛玩人形のように愛でるのだ。
いや、違ったか。
真紘の心の内。
その場所に、結芽に対する愛なぞ、存在しない…………。
一方通行なのだと、結芽は独り感じ取っていた。