この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
新月の闇 満月の光
第7章 ルビーとエメラルド
「えっ、だって真紘は彩花ん所の社員でしょ」
「だからこそ、ただ働きなんてさせないわよ」
義兄さんに、姉さん、貴方方の会話に目を白黒させている人がいるんですけど。
俺は、合坂を横目で見る。
まだ言い争いをしている2人を横目に、合坂が俺に言って来た。
「社員とか、マネージャーとかって……一体…… 」
そりゃ、其れだけ聞いたら疑問も出るだろう。
此処では知られてしまっている事だ。
言っても差し障りは無いだろうと、俺は判断して答えを出してやった。
「俺の本業。『シャングリラ』のスカウトマン兼、『Yume』のマネージャー。因みに、10年前は高校生してた」
「えっ、えっ! こっ、高校生っ!? 」
おい、そっちかよ。
合坂。
驚く所、違うだろう。
こいつ、天然かよ。
俺は、合坂の引っ掛かった部分に、逆に驚かされた。
「高校生であの色気って…………不公平だ……。俺なんてあんなに努力してんのに………… 」
合坂は、ぼそっと呟く。
100%独り言だろうが、聞こえている。
あれだけの濡れ場演じておいて、人を羨むって、どうよ。
「『mahiro』さん、俺に演技指導して下さいっ!! あの男の色香、俺、身に付けたいですっ!! 」
「ちょっと待てっ! 俺はド素人だ!! んなの、プロに頼め!! 」
俺の腕を掴んで懇願する合坂に、慌てる俺。
そして…………。
この会話を耳賢く聞いていたのが、言わずと知れたあの人。
「合坂~っ、時給、一万だ」
「乗ったーっ!! 」
「おいっ!! ちょっと待てっ!!! 」
三人三葉の言葉が舞った。