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新月の闇 満月の光
第7章 ルビーとエメラルド
あぁ、えげつない。
姉は、言い出したら聞かない。
そして、金は、大好きときている。
「合坂の手本になるなら、この先の『mahiro』の芸能活動、自粛させてやっても良いぞ」
姉の言葉に思わず「は?」という言葉が出た。
勿論、疑問系だ。
予定では、このCMしかしない予定だったから、外なんて考えていなかった。
それに、撮られていたのは、始終後ろ姿ばかりの筈だ。
「最高の出来の撮りに、お前の顔も写ってしまっていてね、監督がどうしてもコレを使いたいと聞かないんだよ」
姉がモニターに進みよって、画面を皆に見せた。
モニターには、先ほど撮影されたCMが再生される。
終わると同時に、食い入るように見ていた人々から、溜め息が漏れた。
確かに、これはかなり良い出来だと思う。
自画自賛するのも何だが、客観的に見て、これなら俺だってO.K.を出さざるおえない。
マネージャーとしての立場なら。
でも、『御劒 真紘』としては、賛成出来なかった。
とある理由によって。
「『mahiro』、どうする? 」
狡いよな。
俺に決定権を与えるなんて。
これなら、頷くしか無いじゃないか。
「解ったよ。好きにしろ。但し、どちらかだ。映像を取るか、合坂の好きにさせるか」
「え~、違うだろう、芸能活動の自粛か、合坂❤」
「そっちかよ」
姉の食い下がりは並々なら無い。
もう、ほっといて欲しい。
病気、悪化しそうだ………。