この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
新月の闇 満月の光
第7章 ルビーとエメラルド

それが有った為に、俺の人生急降下。


結芽をかっさらった俺に、亜依は恨みでも持って居たのだろうか?


ああ。


持っていたんだろうな、きっと。


あの日、気付けば俺も亜依も血だらけで、あの女を病院に搬送して貰った所までは記憶に有るが、その後の記憶と言えば、姉の顔を『認識』した後からだった。


その頃には、亜依も一命を取り留めていて(後日解った事だが、見た目程深い傷ではなく命に別状は無かったらしい)、俺はその間の記憶を失ってしまっていた。


姉が言うには、死人のようだったと。


思い出す必要も無いと、言われた。


それ程心が壊れたのだと。


自分を保つ為に、脳が起こした必然的な動きだったのだと、姉は医者に言われたと、そう言った。


記憶を無くすなんて、俺は、なんて




精神の弱い人間なんだろう。




結芽に依存して、彼女を苦しめて。


俺は本当に、クズだよな。






と、そんな事しか考えられなかった。


考えが堂々巡りしていると、酔っ払いの1人、合坂が言った。




「『Yume』さんと、『mahiro』さんってすんっごい仲良いですよね、カレカノさんなんでしょっ……… 」




酔っ払いの言う事など引き算で聞けと言うが、要らぬ考えで満たされていた俺の思考は、その言葉にまともに引っかかった。


さて、どうかな、なんて言って普段なら交わせたのに。


俺は、目の色を深い色に変えて突然、合坂の胸ぐらに掴み掛かってしまった。

/115ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ