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新月の闇 満月の光
第8章 夢一夜
キラキラと輝く光が、まるで色鮮やかな金平糖のように見えて、幻想的。
窓際に貼り付くように身体を寄せて、下を見ていると、真紘さんが隣に立った。
「気に入った? 」
その言葉に、私は微笑んでこくりと頷く。
気に入らない訳が無い。
豪奢なホテルのスイート。
そう易々とは泊まれないし、最上階だからインペリアルスイートと呼ばれるこのホテル随一の部屋に違いない。
色んな意味で寝るのが惜しい。
そう、思う。
「結芽………、おいで…………… 」
呼ばれて抱き付く私に、彼はぎゅっと抱き返してくれた。
見上げると、降り注ぐようなキスの雨。
ついばむようなキスが、どんどん深くなってゆく。
巧みな口付け。
心が、この人を求めすぎて枯渇して、悲鳴を上げる。
なりふりなんて構って居られない。
逸れだけ私は、真紘さんを愛しているのです。
真紘さんの首に腕を絡ませる私。
抱き合いながら、性急なキスをする私達。
触れているのに切なくなるのは、何故なのでしょう。
私がどんどん貴方に染まって行く。
染められて行く。
貴方は、私に染まってくれますか?