この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Vesica Pisces
第1章 太陽×静寂=99…
ニット帽子を外し、ウェアーの首元を開ける。
額には汗が滴って居た。
熱を持った手をぎゅっと握ったまま、少年は矢継ぎ早に質問した。
どうしたらそんなに高く跳べるのか。
どうしたらそんなに巧く回れるのか。
答える代わりに目の前でやってみせる。
少年が見たかったエアが目の前で次々に披露され、そのどれもが画面でみるより遥かに迫力のある完璧なものだった。
「いつか、いつかさ!僕もW杯に出るから!!」
「ぜってー負けねぇけどな!」
グシャッと頭を撫でると真っ白な息を吐いて、少年は満面の笑みを浮かべた。
ゲレンデのレストランで朝食を取りながら、メールをチェックする。
「お前さ、本当ヤル気にさせるの上手いよな」
「あん?」
スマホから視線を移すとエディは笑って告げる。
「さっきの子供とかさ、昨日の女もだし…何なのそのスキル」
「トオルに嘘はないからな」
「そんなんじゃない」
一通のメールを開く。
「ただ五年後くらいじゃ全然負ける気しないだけ」
ソティリオが横からスマホを覗いた。
「お?ヨシトじゃん、相変わらず人に埋れてんな」
男女比は同じくらいだけれど、画面いっぱいの端で笑う当人。
額には汗が滴って居た。
熱を持った手をぎゅっと握ったまま、少年は矢継ぎ早に質問した。
どうしたらそんなに高く跳べるのか。
どうしたらそんなに巧く回れるのか。
答える代わりに目の前でやってみせる。
少年が見たかったエアが目の前で次々に披露され、そのどれもが画面でみるより遥かに迫力のある完璧なものだった。
「いつか、いつかさ!僕もW杯に出るから!!」
「ぜってー負けねぇけどな!」
グシャッと頭を撫でると真っ白な息を吐いて、少年は満面の笑みを浮かべた。
ゲレンデのレストランで朝食を取りながら、メールをチェックする。
「お前さ、本当ヤル気にさせるの上手いよな」
「あん?」
スマホから視線を移すとエディは笑って告げる。
「さっきの子供とかさ、昨日の女もだし…何なのそのスキル」
「トオルに嘘はないからな」
「そんなんじゃない」
一通のメールを開く。
「ただ五年後くらいじゃ全然負ける気しないだけ」
ソティリオが横からスマホを覗いた。
「お?ヨシトじゃん、相変わらず人に埋れてんな」
男女比は同じくらいだけれど、画面いっぱいの端で笑う当人。