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Vesica Pisces
第13章 太陽は静寂を零す
『その日、帰国する予定だけど、時間はまだわからないの』

「いつ出て行ったの?」

『先週の水曜日』

火曜日の夜に電話が来て、翌日取れた航空券で向かったのはイギリスだった筈。

仕事なのか遊びなのかもわからないけれど、送られてくる画像は長閑な田園風景かと思えば、近代的な建築物とどこにいるのか相変わらず定まらない。

3日前にはイベントらしきものに参加している動画が送られてきたけれど、フルフェイスのヘルメットで次から次に跳んでいる為、正直どれが誰だかわからなかった。

「あーもーしょうがないな、嘉にいでも捕まえて、紹介してもらおっかな」

それは酷いと思ったけれど、ここで何と言えば嘉登の気持ちを上手く隠せるのかわからなかった。

午後からは圭介に頼まれた資料作りに集中した。

「松重、進捗どう?」

『これから印刷するんで、レイアウトのチェックお願いします』

プリントアウトして圭介に渡すと、受け取った圭介に見つめられた。

『どうかしましたか?』

「…元気か?」

『何ですか、それ?』

圭介なりの気遣いなんだろうが、降って湧いたそれが何に対してかはわからない。

「いや、いい、お疲れ」

圭介はデスクに戻り、お先にと頭を下げて会社を出た。
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