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Vesica Pisces
第13章 太陽は静寂を零す
透から来たメールではドイツを発つらしい、10日間で一体何カ国回ったのか。
乗り継ぎで到着時間が少し遅れるとメールが来ていた。
それでも少しでも早く逢いたくて、こうやって空港のオープンデッキで離着陸の飛行機を眺めていた。
あと30分くらいだろうかというところで、到着ロビー近くのカフェへ移動する。
カフェ・オ・レを飲みながら透から送られて来た写真を見返していると、視界に入った指が机をノックした。
『…っ…英さん…』
「やっぱり伽耶だ、久しぶり」
キッチリとスーツを身につけて、穏やかに笑みを浮かべるその人を見たのは2年ぶりだ。
「ここ、いい?」
いいも何ももう手に持っていたアイスコーヒーはテーブルに置いてあるし、カバンも空いてる席に乗せていた。
「来週から、こっちに戻るんだ」
驚きを隠せないと彼は変わらない笑顔を見せた。
「伽耶は?元気にしてた?」
『はい…』
「何?びっくりして、手話忘れちゃった?」
大人になってからの2年なんてそんなに変わらない。
それが今は何処か恨めしい。
あの頃のままの笑顔や、懐かしいフレグランスの香り、なめられない為と買った伊達メガネ。
乗り継ぎで到着時間が少し遅れるとメールが来ていた。
それでも少しでも早く逢いたくて、こうやって空港のオープンデッキで離着陸の飛行機を眺めていた。
あと30分くらいだろうかというところで、到着ロビー近くのカフェへ移動する。
カフェ・オ・レを飲みながら透から送られて来た写真を見返していると、視界に入った指が机をノックした。
『…っ…英さん…』
「やっぱり伽耶だ、久しぶり」
キッチリとスーツを身につけて、穏やかに笑みを浮かべるその人を見たのは2年ぶりだ。
「ここ、いい?」
いいも何ももう手に持っていたアイスコーヒーはテーブルに置いてあるし、カバンも空いてる席に乗せていた。
「来週から、こっちに戻るんだ」
驚きを隠せないと彼は変わらない笑顔を見せた。
「伽耶は?元気にしてた?」
『はい…』
「何?びっくりして、手話忘れちゃった?」
大人になってからの2年なんてそんなに変わらない。
それが今は何処か恨めしい。
あの頃のままの笑顔や、懐かしいフレグランスの香り、なめられない為と買った伊達メガネ。