この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Vesica Pisces
第13章 太陽は静寂を零す
こんなところで誰かに見られたらという後ろめたい気持ちより、透に求められる優越感の方が遥かに大きくなっていた。
足りなかったのは透の温もり。
「…っは、ぁ…」
窒息しそうな程に長いキス。
零れた吐息を掬い上げる様に何度も角度を変えてキスは続く。
後頭部に回っていた手は今は頬を包んでいて、蕩け始めている視界に透の笑顔が霞んで見える。
「そんな顔すると、ここで襲うぞ」
「…っ…」
何とか頭を振ってそれは拒否するけれど、まだ透不足は解消されそうにない。
「やっぱあいつらムカつく…追い出すか」
頬と唇にちゅっとキスを落とすと、仕方なく家へと戻って行く。
遠回りはほんの15分ほどで電気は煌々と点いたままだった。
「お、おかえりー!!」
「お邪魔してるー」
嘉登と未知だけだと思って居たそこには、万里と和可菜まで合流していた。
「透くん、舌打ちでかすぎ」
万里に指摘された透は不機嫌を露わにして、それでも同じテーブルを囲んだ。
和可菜がごめんねと手を合わせてきたのを慌てて否定する。
お酒を飲み始めれば、仲のいい友人との語らいに透は満面の笑顔で饒舌になっていった。
足りなかったのは透の温もり。
「…っは、ぁ…」
窒息しそうな程に長いキス。
零れた吐息を掬い上げる様に何度も角度を変えてキスは続く。
後頭部に回っていた手は今は頬を包んでいて、蕩け始めている視界に透の笑顔が霞んで見える。
「そんな顔すると、ここで襲うぞ」
「…っ…」
何とか頭を振ってそれは拒否するけれど、まだ透不足は解消されそうにない。
「やっぱあいつらムカつく…追い出すか」
頬と唇にちゅっとキスを落とすと、仕方なく家へと戻って行く。
遠回りはほんの15分ほどで電気は煌々と点いたままだった。
「お、おかえりー!!」
「お邪魔してるー」
嘉登と未知だけだと思って居たそこには、万里と和可菜まで合流していた。
「透くん、舌打ちでかすぎ」
万里に指摘された透は不機嫌を露わにして、それでも同じテーブルを囲んだ。
和可菜がごめんねと手を合わせてきたのを慌てて否定する。
お酒を飲み始めれば、仲のいい友人との語らいに透は満面の笑顔で饒舌になっていった。