パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第13章 太陽は静寂を零す

いつの間にか女と男に分かれていて、空港であった侑一の話を思い出した。

「…ごめん、私それ知ってた」

未知は申し訳なさそうに肩を竦めて小さくなる。

総務勤務の未知が、侑一の異動を知らないはずがない。

『ううん、いいの、ただあんまり変わってなくてびっくりしただけ』

「そっか…うん、そうだよね、フロアも違うし、もう関係なしっ！」

未知は残っていたビールを飲み干した。

「何々？なんの話し？」

万里が和可菜に問い質す。

「ばんちゃんには関係ないの！仕事の話しでーす」

女3人集まって顔を寄せると、万里は泣き真似をしながら嘉登に泣きつく振りをする。

「どーせ俺は会社員じゃありませんよーだ」

「そうそう、俺たち名ばかりのサラリーマンだもんな」

嘉登は肩を抱きながらそうは言うものの、ふざけているのがありありとわかる笑顔だ。

透はというと相変わらず窓辺に移動して電話中だ。

それからは万里の撮影の話しや、未知の男の好みなど、取り留めのない談笑が続き、万里と和可菜が帰る方向で話が進むと、未知と嘉登は当たり前の様に二人してゲストルームに寝入りに行った。