この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Vesica Pisces
第13章 太陽は静寂を零す
「未知、嘉登さんの事どう思ってんだろ?」
和可菜と万里を通りまで送るために3人並んで歩く。
「兄貴なんだろーなぁ、兄貴以上に見えるんだけどな」
嘉登も特に未知に対して気持ちを伝えようとする素振りは見せない。
見ている方がやきもきさせられてしまう。
「まぁ、二人の問題だけどね、伽耶ちゃん、ここでいいよ」
目と鼻の先に大通りが見えて頷いた。
踵を返し途中で振り向くと、タクシーに丁度乗り込もうとした和可菜が手を振っていた。
「お前ね、夜道に一人で出歩くなよ」
眉をひそめる透は額を指で弾く。
『電話、仕事?』
「然がニュージーランドのコンテストに出るらしい」
『然くんが?いつ?』
「来週の木曜」
『見に行くの?』
「行かねーネットで十分」
二階の居住区に入ると嘉登らの気配は微塵も感じなかった。
シャワーを浴びて戻ってくると、透はパソコンを見つめていた。
画面に映るのはどうやら然のエアーだ。
真剣に見入っている透に声を掛けるのはいつも躊躇う。
紙に何か書き綴るとパソコンを消して、シャワーを浴びに出て行った。
透のシャワーは烏の行水で、すぐに戻ってくる。
和可菜と万里を通りまで送るために3人並んで歩く。
「兄貴なんだろーなぁ、兄貴以上に見えるんだけどな」
嘉登も特に未知に対して気持ちを伝えようとする素振りは見せない。
見ている方がやきもきさせられてしまう。
「まぁ、二人の問題だけどね、伽耶ちゃん、ここでいいよ」
目と鼻の先に大通りが見えて頷いた。
踵を返し途中で振り向くと、タクシーに丁度乗り込もうとした和可菜が手を振っていた。
「お前ね、夜道に一人で出歩くなよ」
眉をひそめる透は額を指で弾く。
『電話、仕事?』
「然がニュージーランドのコンテストに出るらしい」
『然くんが?いつ?』
「来週の木曜」
『見に行くの?』
「行かねーネットで十分」
二階の居住区に入ると嘉登らの気配は微塵も感じなかった。
シャワーを浴びて戻ってくると、透はパソコンを見つめていた。
画面に映るのはどうやら然のエアーだ。
真剣に見入っている透に声を掛けるのはいつも躊躇う。
紙に何か書き綴るとパソコンを消して、シャワーを浴びに出て行った。
透のシャワーは烏の行水で、すぐに戻ってくる。