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Vesica Pisces
第14章 太陽は静寂を切り裂く
帰りのタクシーで伽耶が酷く落ち込んでいたと、嘉登からメールを貰った。
だからじゃないけれど、伽耶の仕事が終わるのをあのガードレールで待っていた。
あの時より時間はたっぷりあって、手の中にはアイスコーヒーのカップがある位だった。
「お前…」
足を止めたのは有馬 圭介と、元カレだった。
「え?有馬の知り合い?」
「ちげーよ、松重の…彼氏」
当人を放ったらかして2人は話し続ける。
「伽耶の?」
…いつまでも呼び捨てんなよ。
「初めまして、英 侑一といいます、伽耶がいつもお世話になってます」
「お前、別れたんだからもう名前で呼ぶな!」
そう言ったのは圭介だった。
「なんで別れたんすか?」
回りくどいのは好きじゃない。
「…はっ、直球だね、まあ、そうだね…彼女が1人で生きていけなさそうだったから、かな?」
余裕な顔を崩さず言って退けた。
「離れたら死んじゃう!みたいなのがね、いつまでも僕の後ろに雛みたいについて回るなんて、そんなの彼女の為にならないでしょ、彼女にはもっと広い世界を生きて欲しかったんだよ」
尤もな事を言っているけれど、それを伽耶が知らないのなら身勝手な言い分だ。
だからじゃないけれど、伽耶の仕事が終わるのをあのガードレールで待っていた。
あの時より時間はたっぷりあって、手の中にはアイスコーヒーのカップがある位だった。
「お前…」
足を止めたのは有馬 圭介と、元カレだった。
「え?有馬の知り合い?」
「ちげーよ、松重の…彼氏」
当人を放ったらかして2人は話し続ける。
「伽耶の?」
…いつまでも呼び捨てんなよ。
「初めまして、英 侑一といいます、伽耶がいつもお世話になってます」
「お前、別れたんだからもう名前で呼ぶな!」
そう言ったのは圭介だった。
「なんで別れたんすか?」
回りくどいのは好きじゃない。
「…はっ、直球だね、まあ、そうだね…彼女が1人で生きていけなさそうだったから、かな?」
余裕な顔を崩さず言って退けた。
「離れたら死んじゃう!みたいなのがね、いつまでも僕の後ろに雛みたいについて回るなんて、そんなの彼女の為にならないでしょ、彼女にはもっと広い世界を生きて欲しかったんだよ」
尤もな事を言っているけれど、それを伽耶が知らないのなら身勝手な言い分だ。