この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Vesica Pisces
第17章 太陽は静寂に交わる
伽耶が教えてくれた。
言葉にしなければ伝わらないこと。
あの大丈夫に、そんな気持ちが込められていたなんて。
出て行くタイミングを完全に見失って、出入り口で二人の会話に聞き入っていた。
自分でもうろ覚えな幼い頃の記憶。
猛や薫に出来ることは自分にも出来るなんて高を括って、毎日傷だらけになりながらも追い掛けるのに必死だった。
でも、カッコ悪い思い出話はもういいって。
「勝手に盛り上がってんじゃねーよ」
二人の間に割り入って座ると、伽耶の瞳が心なしか泳いでいる気がした。
ちらっと薫をみると、薫特有の敵を作らないどころか慈愛に満ちた笑顔がある。
あーコレか。
「お前も懲りねーやつ」
何がと首を傾げるけれど、また思い出させるのも癪でそれ以上突っ込みはしなかった。
今の今で薫に対する気持ちの変化に態度が付いていくわけもなく、いつも通りの憎まれ口と、過保護なまでの気持ちの鬱陶しさをかんじなごら、それでもいつもよりかは話しが弾んだ気がする。
薫はまた明日と言って、退院後の夕食も約束を取り付けて帰って行った。
伽耶は終始ご機嫌で、笑顔を浮かべながら隣で薫を見送った。
言葉にしなければ伝わらないこと。
あの大丈夫に、そんな気持ちが込められていたなんて。
出て行くタイミングを完全に見失って、出入り口で二人の会話に聞き入っていた。
自分でもうろ覚えな幼い頃の記憶。
猛や薫に出来ることは自分にも出来るなんて高を括って、毎日傷だらけになりながらも追い掛けるのに必死だった。
でも、カッコ悪い思い出話はもういいって。
「勝手に盛り上がってんじゃねーよ」
二人の間に割り入って座ると、伽耶の瞳が心なしか泳いでいる気がした。
ちらっと薫をみると、薫特有の敵を作らないどころか慈愛に満ちた笑顔がある。
あーコレか。
「お前も懲りねーやつ」
何がと首を傾げるけれど、また思い出させるのも癪でそれ以上突っ込みはしなかった。
今の今で薫に対する気持ちの変化に態度が付いていくわけもなく、いつも通りの憎まれ口と、過保護なまでの気持ちの鬱陶しさをかんじなごら、それでもいつもよりかは話しが弾んだ気がする。
薫はまた明日と言って、退院後の夕食も約束を取り付けて帰って行った。
伽耶は終始ご機嫌で、笑顔を浮かべながら隣で薫を見送った。