この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Vesica Pisces
第19章 太陽は静寂に添う
レストランではあんなにカッコよかったのに、まるで拗ねた子供のような透。
「とーぅ、す、き」
そっと唇を重ねると、透は冗談半分だったのか目を丸くしていた。
「伽耶、俺といて幸せ?」
はにかんだ透の問いかけに、首を横に振る。
『透と居るから幸せ』
顔を両手で覆った透の耳がほんのり赤い。
「と、る?」
「バーカ」
顔を覆ったまま透はそう呟く。
今日の透は可愛い生き物だ。
こんな姿見たことがなくて、それがまた嬉しい。
そっと透の手を退ける。
『今夜は本当にありがとう』
「他には?」
『他にはって?』
「俺がお前にしてやれること!他にねーの?」
真っ直ぐ見つめる透の瞳に胸が熱くなる。
これ以上望むことなんてない。
この指輪と、あの靴があれば、一人になったとしてもきっとこの静寂をどこまでも歩いて行ける。
本気でそう思えた。
「何で今更泣いてんの?」
下を向いていたから、零れる涙が透の頬に落ちてしまう。
「とー、る、ぁいがと…」
「それはこっちのセリフ」
透は私の後頭部をやんわりと押さえつけると、届いた唇にキスをした。
「ねえ、明日何時?」
「とーぅ、す、き」
そっと唇を重ねると、透は冗談半分だったのか目を丸くしていた。
「伽耶、俺といて幸せ?」
はにかんだ透の問いかけに、首を横に振る。
『透と居るから幸せ』
顔を両手で覆った透の耳がほんのり赤い。
「と、る?」
「バーカ」
顔を覆ったまま透はそう呟く。
今日の透は可愛い生き物だ。
こんな姿見たことがなくて、それがまた嬉しい。
そっと透の手を退ける。
『今夜は本当にありがとう』
「他には?」
『他にはって?』
「俺がお前にしてやれること!他にねーの?」
真っ直ぐ見つめる透の瞳に胸が熱くなる。
これ以上望むことなんてない。
この指輪と、あの靴があれば、一人になったとしてもきっとこの静寂をどこまでも歩いて行ける。
本気でそう思えた。
「何で今更泣いてんの?」
下を向いていたから、零れる涙が透の頬に落ちてしまう。
「とー、る、ぁいがと…」
「それはこっちのセリフ」
透は私の後頭部をやんわりと押さえつけると、届いた唇にキスをした。
「ねえ、明日何時?」