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Vesica Pisces
第20章 太陽の静寂

「画像、悪っ!モノクロって…」
ペラペラのインスタント写真をじっと見つめる透。
「え?何これ?何の写真?」
写真を覗き込んで真ん中に写っているのを指してから、顔の前で両手を揺らした。
「それ何?」
「あ、か、た、ん」
「あかた…ん…赤ちゃん?!マジッ?!…ってぇ!クソッ」
急に体を起こした透は肋を押さえて悶絶する。
「産む?」
透はこちらを伺うように見つめる。
『…産み…たい…いい?』
「産むのは任せる!他は任せとけ!」
他って何があるんだろう。
でも、写真を見つめる透の瞳があんまりにも真っ直ぐで、写真に穴が開くんじゃないかってくらい見つめてて…それが嬉しかった。
何となく続いていた体調不良で行った病院で、小さくてもトクトクと動く心臓に1人涙した。
と同時に耳の聞こえない私がどうやって赤ちゃんの泣き声に気付くのか、どうやって育てるのか漠然と不安になった。
「伽耶、出来るから」
『それ、透が言う?』
何の根拠もない透の自信に満ちた笑顔と、大きな手のひらで頭を撫でられると不安がスーッと消えていく。
「伽耶、ありがとう」
帰り際に放った一言に勇気づけられた事を透は知らない。
ペラペラのインスタント写真をじっと見つめる透。
「え?何これ?何の写真?」
写真を覗き込んで真ん中に写っているのを指してから、顔の前で両手を揺らした。
「それ何?」
「あ、か、た、ん」
「あかた…ん…赤ちゃん?!マジッ?!…ってぇ!クソッ」
急に体を起こした透は肋を押さえて悶絶する。
「産む?」
透はこちらを伺うように見つめる。
『…産み…たい…いい?』
「産むのは任せる!他は任せとけ!」
他って何があるんだろう。
でも、写真を見つめる透の瞳があんまりにも真っ直ぐで、写真に穴が開くんじゃないかってくらい見つめてて…それが嬉しかった。
何となく続いていた体調不良で行った病院で、小さくてもトクトクと動く心臓に1人涙した。
と同時に耳の聞こえない私がどうやって赤ちゃんの泣き声に気付くのか、どうやって育てるのか漠然と不安になった。
「伽耶、出来るから」
『それ、透が言う?』
何の根拠もない透の自信に満ちた笑顔と、大きな手のひらで頭を撫でられると不安がスーッと消えていく。
「伽耶、ありがとう」
帰り際に放った一言に勇気づけられた事を透は知らない。

