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Vesica Pisces
第2章 太陽は静寂を知る
「はあぁっ?!何してんだよ?」
「ニホンまで送ってやる」
クーフィーヤを翻した視線の先にはプライベートジェットがスタンバイしていた。
「え…アレ?」
「その代わり」
交換条件を好まない透は険しい視線を隠さない。
「トモダチになってくれ」
真っ直ぐな彼の眼差しに透の目が一瞬丸くなって、直ぐにくしゃっと細まる。
「は…ははっ、うん、いいよ」
右手を差し出すとぐっと握り返された。
ジャリルと名乗った彼は何処ぞの富豪の息子で、バイオエネルギーの会社をシンガポールで経営しているらしい。
本当はバイクに乗るのが夢だったけれど両親の猛反対で断念し、今はスポンサーとしてライダーをサポートするのが夢になったと熱く語った。
ジャリルの熱に充てられて沢山の夢や未来を語っている間はあっという間で、着陸したのは予定より3時間も速かった。
受取も手続きもすっ飛ばして連絡先を交換したスマホを振りながら、到着ロビーを潜った。
「透––––っ!!」
「アル…うっせーよ」
大きく両手を振るアレックスに応えながらタクシーに乗り込んだ。
「思ったより速かったね、でももう始まってるし」
「うっせ、最速だバーカ」
何だかんだ高層ビル群を目の当たりにすると落ち着いてしまう。
「ニホンまで送ってやる」
クーフィーヤを翻した視線の先にはプライベートジェットがスタンバイしていた。
「え…アレ?」
「その代わり」
交換条件を好まない透は険しい視線を隠さない。
「トモダチになってくれ」
真っ直ぐな彼の眼差しに透の目が一瞬丸くなって、直ぐにくしゃっと細まる。
「は…ははっ、うん、いいよ」
右手を差し出すとぐっと握り返された。
ジャリルと名乗った彼は何処ぞの富豪の息子で、バイオエネルギーの会社をシンガポールで経営しているらしい。
本当はバイクに乗るのが夢だったけれど両親の猛反対で断念し、今はスポンサーとしてライダーをサポートするのが夢になったと熱く語った。
ジャリルの熱に充てられて沢山の夢や未来を語っている間はあっという間で、着陸したのは予定より3時間も速かった。
受取も手続きもすっ飛ばして連絡先を交換したスマホを振りながら、到着ロビーを潜った。
「透––––っ!!」
「アル…うっせーよ」
大きく両手を振るアレックスに応えながらタクシーに乗り込んだ。
「思ったより速かったね、でももう始まってるし」
「うっせ、最速だバーカ」
何だかんだ高層ビル群を目の当たりにすると落ち着いてしまう。