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Vesica Pisces
第6章 太陽は静寂を引く
「猛と薫に宜しくな」
紙袋いっぱいの土産を持たされる。
手を振って機内へ乗り込むと、一通のメールを送った。
“初詣、行く?”
返事よりも先に飛行機が飛び立ってしまった。
1.5時間なんて眠ればあっという間で、飛行機を降りると直ぐにモードを切り替えた。
が、メールは返って来なかった。
大晦日の太陽がゆっくりと飴色に染まりながら傾いていく。
キンッと冷え切った部屋に暖房を入れてカバンを投げる。
1メートル先に転がったスマホを睨んで、返事もないのに次のメールはどう打てばいいのか考えていると、ブブッと震えてそっと届いたメールを開いた。
“行きたいです”
やべぇ…超顔がニヤける。
誰も見ているはずもないのに口元を手で覆いながら、迎えに行く時間を返し、そのまま嘉登のアドレスを開く。
「いい、よな」
スマホをベッドに置くとシャワーを浴びに部屋を出て行く。
誰と、を指定しなかったし、もしかしたら伽耶から未知たちに声をかけているかもしれない。
二人ででももちろん構わない。
けれど、嘉登を誘わない、誘えない自分の狡さに辟易した。
紙袋いっぱいの土産を持たされる。
手を振って機内へ乗り込むと、一通のメールを送った。
“初詣、行く?”
返事よりも先に飛行機が飛び立ってしまった。
1.5時間なんて眠ればあっという間で、飛行機を降りると直ぐにモードを切り替えた。
が、メールは返って来なかった。
大晦日の太陽がゆっくりと飴色に染まりながら傾いていく。
キンッと冷え切った部屋に暖房を入れてカバンを投げる。
1メートル先に転がったスマホを睨んで、返事もないのに次のメールはどう打てばいいのか考えていると、ブブッと震えてそっと届いたメールを開いた。
“行きたいです”
やべぇ…超顔がニヤける。
誰も見ているはずもないのに口元を手で覆いながら、迎えに行く時間を返し、そのまま嘉登のアドレスを開く。
「いい、よな」
スマホをベッドに置くとシャワーを浴びに部屋を出て行く。
誰と、を指定しなかったし、もしかしたら伽耶から未知たちに声をかけているかもしれない。
二人ででももちろん構わない。
けれど、嘉登を誘わない、誘えない自分の狡さに辟易した。