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Vesica Pisces
第6章 太陽は静寂を引く
午後9時を回って、カットソーにニットを重ねて、コートを羽織ると結局伽耶の家まで車で行く事にした。
この前送り届けた道順。
家を出る前にメールをして行くと、門扉の前で小競り合いをしている人影が二つ。
「本当に未知ちゃん達となんだろうな?」
『誰とでもいいでしょ!お母さんには言ってあるもん!』
「最近のお前、浮き沈みが激しいんだよ!また…っ!」
『もう大丈夫だから!!ほらもう家に入って!』
伽耶に背中を押され、家の中からまさきと呼ばれて渋々中へと戻って行く。
姿が見えなくなってから、車を降りた。
『こんばんは!』
さっきまでの小競り合いを無かったもののように振る舞う伽耶。
「挨拶は?」
『そんなのいらないです!行きましょう!!』
ふと家に目を移すと母親らしき人がこちらを見ていた。
軽く頭を下げると、その人は和やかに笑って会釈をした。
笑った顔が伽耶に似ている。
「とりあえず近くまで車で行くから」
助手席に伽耶を乗せるとゆっくりと発進した。
住宅街を抜けて幹線道路に乗ると大晦日というのに人で溢れていた。
伽耶は窓から人波に見入っていて、初詣に行くのは初めてだと赤信号の間に零した。
この前送り届けた道順。
家を出る前にメールをして行くと、門扉の前で小競り合いをしている人影が二つ。
「本当に未知ちゃん達となんだろうな?」
『誰とでもいいでしょ!お母さんには言ってあるもん!』
「最近のお前、浮き沈みが激しいんだよ!また…っ!」
『もう大丈夫だから!!ほらもう家に入って!』
伽耶に背中を押され、家の中からまさきと呼ばれて渋々中へと戻って行く。
姿が見えなくなってから、車を降りた。
『こんばんは!』
さっきまでの小競り合いを無かったもののように振る舞う伽耶。
「挨拶は?」
『そんなのいらないです!行きましょう!!』
ふと家に目を移すと母親らしき人がこちらを見ていた。
軽く頭を下げると、その人は和やかに笑って会釈をした。
笑った顔が伽耶に似ている。
「とりあえず近くまで車で行くから」
助手席に伽耶を乗せるとゆっくりと発進した。
住宅街を抜けて幹線道路に乗ると大晦日というのに人で溢れていた。
伽耶は窓から人波に見入っていて、初詣に行くのは初めてだと赤信号の間に零した。