この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Vesica Pisces
第7章 太陽は静寂を掴む

透に促されて隣に座る。
プルトップを開けるとほわっと湯気が立ち昇った。
『凄く綺麗でした!連れて来てくれてありがとうございます』
「あんだけ喜んでくれりゃ、連れて来た甲斐があるわ」
並んで海を見ながら、手の中の温もりだけが温度を失っていく。
「帰ろっか」
うんと頷くと、車まで随分と離れてしまった砂浜を戻っていく。
来た時と同じだけの距離を保って。
「腹減った」
言われてみれば夜中に焼きそばを食べたきりだ。
透は少し走って国道沿いのラーメン屋に入った。
二つ並んだラーメンを啜ると、懐かしく安定した醤油スープに思わず笑顔が溢れた。
「…ねみぃ…ちょっと寝ていい?」
ずっと運転していた透の申し出を無下に出来るわけがない。
透は後ろをフラットシートにすると、家に帰った時に載せたブランケットを広げた。
「起きてんの?」
『はい、どれくらいしたら起こしましょうか?』
しかめっ面で眉間に皺を刻むと透は指先だけで手招いた。
「お前も寝んの、はい、おやすみ」
ぐっと肩を抱かれてフラットシートに倒されると、ばさっとブランケットに包まれる。
目と鼻の先には透の胸板。
プルトップを開けるとほわっと湯気が立ち昇った。
『凄く綺麗でした!連れて来てくれてありがとうございます』
「あんだけ喜んでくれりゃ、連れて来た甲斐があるわ」
並んで海を見ながら、手の中の温もりだけが温度を失っていく。
「帰ろっか」
うんと頷くと、車まで随分と離れてしまった砂浜を戻っていく。
来た時と同じだけの距離を保って。
「腹減った」
言われてみれば夜中に焼きそばを食べたきりだ。
透は少し走って国道沿いのラーメン屋に入った。
二つ並んだラーメンを啜ると、懐かしく安定した醤油スープに思わず笑顔が溢れた。
「…ねみぃ…ちょっと寝ていい?」
ずっと運転していた透の申し出を無下に出来るわけがない。
透は後ろをフラットシートにすると、家に帰った時に載せたブランケットを広げた。
「起きてんの?」
『はい、どれくらいしたら起こしましょうか?』
しかめっ面で眉間に皺を刻むと透は指先だけで手招いた。
「お前も寝んの、はい、おやすみ」
ぐっと肩を抱かれてフラットシートに倒されると、ばさっとブランケットに包まれる。
目と鼻の先には透の胸板。

